生成AIの研修・コンサルティング・開発を手がける株式会社Uravation(本社:東京都文京区、代表取締役:佐藤 傑)は、部門ごとの業務でそのまま試せるプロンプトを50本まとめた資料「部門別 ChatGPT 業務プロンプト集 50」を、同社サイトで無料公開しています。同社は、頼み方が人によってばらばらになりがちで、うまくいった頼み方が隣の席に伝わらない点を課題として挙げています。資料はPDF(横型32ページ)で、Excelが同梱されています。

利用率は86.4%に、同社が指摘する「頼み方のばらつき」
同社は公開の背景として、総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月)を挙げています。白書によると、自社の何らかの業務で生成AIを利用している日本企業は86.4%(2025年度調査)で、前年度調査の55.2%から大きく増えました。業務の種類別では「議事録・メール作成補助」での活用が約7割と最も多く、日々の文書作成が主な使い道になっています。
一方で同社によると、頼み方は人によってばらばらになりがちです。同じ仕事でも頼み方が違えば返ってくるものが違い、うまくいった頼み方が隣の席に伝わらないとしています。そこで今回の資料では、50本すべてを同じ型で書きそろえました。うまくいかない時にどこを直せばよいかが分かり、チームで読み比べられるようにするためです。

10部門×5本を「5つの型」で統一
対象は営業・マーケ・人事・経理・総務・企画・カスタマーサポート・情シス・経営企画・全社共通の10部門で、各部門に5本ずつ収録しています。<>の部分に自分のメモや表を貼り付ければ使える形式です。どのプロンプトも、次の5つの型を上から順に記述しています。
- 役割:誰として答えるか
- 材料:何をもとにするか
- 形式:どの形で返すか
- 制約:何を守るか
- 確かめ方:根拠をどう並べるか
迷った時は「材料」と「制約」から書き始め、材料を貼ったうえで、材料にないことは書かせない形にするよう勧めています。型の名前を【】で書いておくと、読み直す時に直す箇所が分かりやすくなるとしています。
代表12本には解説、うち5本は実際の画面も掲載
50本のうち代表的な12本には書き方の解説が付いています。内容は、営業の商談後のお礼メール、マーケ・企画のアンケート自由記述の分類と企画の弱点出し、人事の求人票の下書き、経理の経費精算の確認、総務・情シスの社内通知文とエラーの原因の候補・確認の順番、カスタマーサポートの問い合わせへの返信案、経営企画の各部署の報告の1枚へのまとめ、全社共通の会議メモからの議事録・文章の校正・プロンプトの直しです。
このうちお礼メール、経費精算の確認、問い合わせへの返信、部署の報告のまとめ、議事録の5本については、2026年10月4日にChatGPTの一時チャットで架空のデータだけを使って実際に動かした画面を掲載しています。たとえば経費精算の確認では、架空の社内ルール4項目と申請8件を貼ると、確認が必要な行だけが表で返り、最後に「確認した行数:8行」「確認が必要とした行数:4行」と数が添えられました。行数を書かせることで、確認漏れがないかを人が数で確かめられる仕組みです。なお、実際の画面を載せているのは代表例のみで、50本すべてではありません。

Excelでの絞り込みと、つまずいた時の直し方
付属のExcelでは、「プロンプト50」シートで部門と用途を絞り込めます。黄色の列には、自社向けに書き換えた版、試した日、使える度(◎○△×)、結果を記入できます。このほか、架空の会社の記入例、5つの型を書くとプロンプトが組み上がる「自分で作る」シート、部門別の件数を数えるシートも収録しています。使える度に◎が付いた版からチームで共有する使い方を想定しています。
返事がずれた時は、頼み方を一から書き直すより、5つの型のどこが足りないかを探す方が早く直るとして、よくある5つの症状と直す型の対応表も載せています。
- 長すぎる・短すぎる場合:形式(字数・見出しの数・表の列を数字で指定)
- 一般論ばかりで自社の話にならない場合:材料・役割
- メモにない事実や数字が混ざる場合:制約・確かめ方
- 返ってくる形が毎回変わる場合:形式
- 言い回しが相手に合わない場合:役割・制約
また、AIの返事はあくまで下書きと位置づけ、社内で使う前と社外に出す前で確かめる項目を分けたうえで、数字・日付・固有名詞・約束ごとは必ず元の材料と照らしてから使う手順も紹介しています。チームで共有する際の注意点として、材料の部分を伏せる、置き場所を1つに決める、版と日付を書く、使った人が結果を書き足せるようにする、といった項目もまとめています。
想定読者は、ChatGPTの使い方を調べて自分の仕事で試したい人、部署のメンバーに使い方を広めたいリーダー、社内のプロンプト集を作りたい推進担当者です。ダウンロードページのフォームから申し込むとその場でダウンロードボタンが表示され、同じURLがメールでも届きます(URLの有効期限は7日間)。費用はかからず、PDFとExcelの合計で約6.3MBです。同じダウンロードページの一覧からは、入力してよい情報を社内で決める際の「生成AI社内利用ガイドライン 規程テンプレート」や、使う業務を広げる際の「生成AI活用事例 業務別50選」も利用できます。
代表取締役の佐藤 傑氏は、うまくいった頼み方が隣の席に伝わらないのは書き方の型がそろっていないからだと考えているとし、「役割・材料・形式・制約・確かめ方の5つを同じ順番で書けば、返事がずれた時にどこを直せばよいかが分かり、チームで読み比べられます」とコメントしています。