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エンゲージメントの職種差は最大12.7ポイント、主要7職種では医療・福祉・教育職が42.4%で最も高く リアルワン調査

エンゲージメントの職種差は最大12.7ポイント、主要7職種では医療・福祉・教育職が42.4%で最も高く リアルワン調査 働き方・組織
表1:職種・年代・勤続年数について、エンゲージメントの前向きな回答率が最も高い群と低い群を比較
表1:職種・年代・勤続年数について、エンゲージメントの前向きな回答率が最も高い群と低い群を比較

主要7職種のエンゲージメントは29.7~42.4%

人材・組織領域の調査・評価を専門とするリアルワン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:青山 愼)は、「働く人の仕事と職場に関する意識調査2026」の第2弾の結果をまとめた。第1弾では、従業員満足度、エンゲージメント、組織への愛着について2026年の全体結果を紹介している。第2弾では、職種ごとに仕事内容や仕事経験が異なる点を踏まえ、日々の仕事への積極的な関わりを捉えるエンゲージメントに焦点を当てて分析した。

分析の対象は、回答者数が200名以上で「その他」を除く主要7職種である。エンゲージメントの前向きな回答率(肯定回答の割合)は、調査全体で37.3%だった。職種別に見ると、最も高かったのは医療・福祉・教育職の42.4%で、IT・デジタル・プロダクト職が39.9%、営業・販売・顧客対応職が39.4%と続いた。一方、事務・業務オペレーション職は29.9%、生産・製造・物流・現場作業職は29.7%で、最も高い職種と最も低い職種の間には12.7ポイントの開きがあった。ただし同社は、この結果は職種の優劣を示すものではないと説明している。同じ職種の中でも、仕事内容や役割、職場環境は異なるためだ。

年代別・勤続年数別の最大差はいずれも4.6ポイント

人事施策でよく用いられる年代別と勤続年数別についても、各属性の中で前向きな回答率が最も高い群と最も低い群を比べる形で、参考として比較した。年代別では、20歳代以下の39.6%と50歳代の35.0%の間に4.6ポイントの差があった。勤続年数別では、3年以上5年未満の39.2%と1年以上3年未満の34.6%の間に、同じく4.6ポイントの差があった。属性ごとに区分数や構成が異なるため、同社は単純に「職種が最も重要」と結論づけることはできないとしている。そのうえで、年代別・勤続年数別と比べて職種別の差が大きかったことから、年代や勤続年数に着目した施策に加え、職種ごとの仕事経験を確認する必要性がうかがえるとした。

補足分析として、役職、年代、勤続年数、雇用形態、企業規模、業種、性別を同時に考慮した回帰分析も実施している。その結果、職種別の大枠の傾向は変わらなかった。対象を一般従業員・職員に限った場合も、医療・福祉・教育職は38.0%、事務・業務オペレーション職は26.5%、生産・製造・物流・現場作業職は27.9%だった。

図2:医療・福祉・教育職、事務・業務オペレーション職、生産・製造・物流・現場作業職における、行動エンゲージメント・思考エンゲージメント・情動エンゲージメント(気持ちの面)。
図2:医療・福祉・教育職、事務・業務オペレーション職、生産・製造・物流・現場作業職における、行動エンゲージメント・思考エンゲージメント・情動エンゲージメント(気持ちの面)。

「行動」「思考」「情動」の3側面すべてで職種差

リアルワンは、エンゲージメントを3つの側面から測定している。平易に言えば、より良い仕事のために「行動する」「深く考える」「前向きな気持ちで取り組む」という仕事への関わりを捉えるものだ。

  • 行動エンゲージメント:仕事の質を高め、良い仕事につながる行動を実行し、期待以上の成果を出そうと取り組む程度
  • 思考エンゲージメント:仕事に没頭し、自ら掘り下げ、より良いやり方を突き詰めて考える程度
  • 情動エンゲージメント(気持ちの面):仕事に熱中し、生き生きとした気分や面白さを感じる程度

医療・福祉・教育職は、行動エンゲージメントが42.8%、思考エンゲージメントが42.9%、情動エンゲージメントが41.7%だった。同じ順で見ると、事務・業務オペレーション職は31.5%、30.6%、27.7%、生産・製造・物流・現場作業職は31.2%、30.8%、26.9%となり、3職種の差はすべての側面で確認された。医療・福祉・教育職とほかの2職種との差は、3つの側面のうち情動エンゲージメント(気持ちの面)で最も大きかった。ただし同社は、今回の調査だけではその理由を特定できないとしている。また、後述する仕事の意義や成長の実感などにも職種差が見られるため、自組織では情動面の差だけで判断せず、仕事経験とあわせて確認することが重要だと指摘する。

成長の実感や能力の活用にも違い

職種間の差を読み解く手がかりとして、仕事の内容や進め方に関する主な側面も調べた。医療・福祉・教育職は、事務・業務オペレーション職や生産・製造・物流・現場作業職と比べて、仕事の意義、能力の活用、成長の実感、自律性、フィードバックについて前向きな回答率が高い傾向にあった。差が大きかった上位3項目は、事務・業務オペレーション職との比較では、成長の実感が17.7ポイント、能力の活用が16.9ポイント、仕事の意義が14.0ポイントだった。生産・製造・物流・現場作業職との比較では、成長の実感が18.5ポイント、能力の活用が13.7ポイント、自律性が13.1ポイントだった。同社は、これらを職種の優劣ではなく、各職種で経験しやすい仕事や職場環境の違いとして解釈する必要があるとしている。そのうえで、今回の結果から、職種別のエンゲージメントを考える際には、本人の意欲だけでなく、現在の仕事で、仕事の意味を感じられているか、能力を活かせているか、裁量や成長機会、フィードバックをどのように経験しているかを確認することが重要だと考察した。

表2:エンゲージメントに関連する主な仕事経験の前向きな回答率
表2:エンゲージメントに関連する主な仕事経験の前向きな回答率

組織責任者・人事担当者に向けた3つの視点

同社は、企業や官公庁などの組織責任者・人事担当者に向けて、調査結果の活用にあたり次の3点を挙げている。

  • 全体平均だけでなく、職種・部署別に確認する:組織全体のエンゲージメントが同じでも、職種によって仕事の内容、顧客との接点、裁量、成果の見え方は異なる
  • 年代・勤続年数別の施策とあわせ、仕事経験を確認する:仕事の意義、能力を活かす機会、自律性、成長実感、フィードバックが、職種ごとにどのように経験されているかを確認する
  • 「低い職種」と評価せず、仕事と職場の設計を対話する:職種別の結果は、従業員の資質や意欲を評価するためのものではない。現場の従業員や管理職と、仕事の目的が伝わっているか、能力を活かせているか、裁量やフィードバックが十分かを話し合い、施策につなげる

代表取締役の青山愼氏は、職種が異なれば、仕事の目的、顧客との接点、裁量、成果の見え方、フィードバックを得る機会も異なると述べた。そのうえで、今回の結果を特定の職種に意欲がある、ないという評価につなげるべきではないと強調した。また、全体平均や職種別の数値を答えとするのではなく、自組織の中で何が起きているかを丁寧に読み解くことが大切だとコメントしている。

調査は、全国の18~59歳の就業者を対象にインターネットで実施した。対象は正社員・正規職員、契約社員・嘱託社員・準社員、派遣社員で、従業員数不明、勤続35年以上、経営者・役員等は除いている。実査期間は2026年7月3日~7月9日で、回収数は6,000名だった。このうち回答品質基準にもとづいて1,121名を除外し、4,879名を分析対象とした。職種分析の対象は4,505名(全体の92.3%)である。調査企画・分析はリアルワン株式会社、実査は株式会社アスマークが担当した。なお、今回は一時点で実施した意識調査であり、職種、属性、仕事経験、エンゲージメントの間の因果関係を示すものではないとしている。

出典:リアルワン株式会社

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