テックタッチ株式会社は、「AI Central」の新プロダクトとして、事業KPIの要因分析AIエージェント「AI Central Metrics」の提供を開始した。VoC分析AIエージェント「AI Central Voice」で分析した顧客の声と、売上・解約率などの数字を掛け合わせ、数字が変化した要因を分析する。改善施策の効果検証にも活用でき、顧客の声を事業の改善につなげることを支援する。

顧客の声と事業データが「別管理」になっている課題
同社はこれまで「AI Central Voice」を通じて、企業に寄せられる顧客の声(VoC)の分析と活用を支援してきた。一方で、顧客の声と売上・解約率などの事業データは別々に管理されることが多い。そのため、顧客の声が事業の数字とどう関係しているのかを把握するのは容易ではない。
たとえば解約率が上がった場合に、その背景にあるのが料金への不満なのかサポートへの不満なのかがわからなければ、適切な改善策を判断するのは難しい。さらに、改善施策を実施しても、その前後で顧客の声と数字がどう変わったかを十分に検証できないという課題もある。こうした課題に対応するため、顧客の声と事業データを掛け合わせ、数字の変化の背景や施策の効果を分析できる「AI Central Metrics」が開発された。
2つのプロダクトの役割は次のように分かれている。「AI Central Voice」は、問い合わせ・アンケート・口コミなどの顧客の声を分析・可視化し、顧客が何に不満や要望を持っているかを明らかにする。顧客課題の発見・把握が目的だ。これに対し「AI Central Metrics」は、Voiceで分析した顧客の声に売上・解約率などの事業データを加えて分析し、事業KPIの変動にどのような顧客の声が関連しているかを明らかにする。KPIの変動要因の分析と改善施策の効果検証が目的となる。
3つの特長:要因の深掘り、変化の自動検知、施策の効果検証
1つ目は、事業KPIの変動要因を顧客の声から深掘りできる点だ。売上や解約率などのKPIと「AI Central Voice」で分析した顧客の声を掛け合わせ、KPIの変動に関連する顧客の不満や要望を分析する。数字だけでは見えなかった背景を掘り下げ、改善すべき課題の発見を支援する。例としては、解約率の上昇と「サポートにつながらない」という声の増加を照らし合わせ、解約につながる可能性のある課題を分析するといった使い方が挙げられている。
2つ目は、変化の自動検知による迅速な対応の支援だ。事業KPIや特定の声が急増・急減した際に、AIが変化を自動検知して通知する。関連する顧客の声もあわせて確認できるため、月次レポートなどを待たずに課題を把握し、早期対応につなげられる。たとえば特定の商品で「届かない」という声と問い合わせ件数が急増した際に通知し、物流部門での迅速な確認・対応を支援する。
3つ目は、改善施策の効果を事業KPIと顧客の声の両面から検証できる点だ。商品改良やサービス改善などの施策情報を登録し、実施前後の事業KPIと顧客の声の変化を比較・分析する。複数の施策が同時期に実施された場合も、それぞれの施策とKPIの変化の関係を分析し、効果につながった要因を深掘りできる。例として、商品デザイン変更後に「使いにくい」という声が増加した場合に、同時期に行った購入手順の変更も含めて分析し、顧客の不満が増えた要因を特定するケースが示されている。
主な機能
- データ連携:売上・解約・受注・在庫・対応実績などの事業データを取り込み、「AI Central Voice」で分析した顧客の声と掛け合わせて分析
- 変化の自動検知・アラート:事業KPIや顧客の声の急な増減を自動検知し、関連する顧客の声とともに通知
- KPIの変動要因分析:顧客の声のカテゴリや購買段階などの切り口から、事業KPIの変動に関連する要因や影響度を分析
- 施策情報の登録・効果検証:商品改良や改善施策の実施情報を登録し、複数施策が重なる場合も含めて、KPIと顧客の声の変化から効果の要因を分析
- チャット分析:AIに話しかけるように質問するだけで、事業KPIの変動要因や改善施策の効果を深掘り
- レポート出力:分析結果を、経営報告や部門間の情報共有に活用できるレポートとして出力
- Web検索連携:市場トレンドや競合の施策などの外部情報も踏まえて分析
分析結果はAIとのチャット、アラート、レポートを通じて確認でき、現場での改善活動から経営判断まで幅広く活用できるとしている。
業種・部門ごとの想定活用例と提供概要
同社は、さまざまな業種・部門での活用を想定した例を示している。なお、これらは想定される活用例であり、実際の導入成果を示すものではない。
- 通信会社のコンタクトセンター:料金プラン改定翌日にプランに関する問い合わせが急増し、「Webサイトで新旧プランの違いがわからない」という声が集中。FAQとWebサイトの案内を改善し、問い合わせ件数の変化を検証する
- 通販のコンタクトセンター(電話受注):受注率が半年間ほぼ横ばい。通話内容の分析から、購入履歴などによって受注につながりやすい商品が異なる傾向を把握し、購入履歴などに応じて提案商品や案内方法を見直して、受注率への効果を検証する
- 化粧品D2Cのカスタマーサポート:定期便の3か月目だけ解約率が高い。20代は「飽きた」、30代は「効果を感じない」など年代によって解約理由が異なる傾向を把握し、年代別に継続促進策を見直して解約率の変化を検証する
- 衣料品ECのCX部門:返品・交換件数は少ないものの、サイトのUI・UXに関する不満が急増。「上下セットに見える商品写真」が購入者の誤解を招いている可能性を把握し、商品写真や説明を改善して返品・交換件数と顧客の声の変化を検証する
料金は個別見積。セキュリティは「AI Central Voice」と同じ基準で運用され、データの海外移転はなく、高い情報セキュリティ要件に対応する。利用は「AI Central Voice」との組み合わせが条件となる。問い合わせは、「AI Central Voice」の利用中・検討中の企業は担当営業またはカスタマーサクセスへ、それ以外の法人・団体は同社の問い合わせ窓口で受け付けている。
同社は今後、「AI Central Voice」と「AI Central Metrics」を通じて、顧客の声と事業KPIを組み合わせた分析の活用をさまざまな業種・部門へ広げていく方針だ。顧客の声の分析にとどまらず、事業KPIの変動要因の把握から改善施策の効果検証までを支援し、顧客の声を事業の成長につなげる「顧客起点の経営」の実現を目指す。テックタッチ株式会社は「テクノロジーのワクワクを、かたちに」をミッションに掲げ、国内No.1(株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:コラボレーション/ナレッジ共有市場2025」デジタル・アダプション・プラットフォーム市場:ベンダー別売上金額シェア(2021~2025年度予測)による)のDAP「テックタッチ」や「AI Central Voice」などを提供している。
出典:テックタッチ株式会社