千葉県松戸市のReIT合同会社と、福島県北塩原村の合同会社デザインLが共同で運営するAIラボ「QuratedLab」が、福島県と千葉県の事業者と自治体を対象に、Webサイト・Webサービスの脆弱性対策を無償で支援する取り組みを始めます。受付の期限や件数の上限は設けず、申し込みがあった順に対応します。専門の担当者を置くことが難しい地域の事業者や自治体を、AIを活用した調査と対策の知見で支えることが狙いです。
相次ぐ重大な脆弱性の公表と、地域の中小企業・個人事業者の実情
WebサイトやWebサービスの基盤となる技術では、重大な脆弱性の公表が続いています。2025年12月に公表されたReact・Next.jsの脆弱性(通称React2Shell)は、外部からサーバー上で任意のプログラムを実行されるおそれがあるものでした。さらに2026年10月には、Node.jsとPHPでも同様に深刻な脆弱性の修正版が公開されています。
こうした脆弱性は、修正版への更新が遅れたところを突かれます。侵入されたサーバーが暗号資産の採掘や他への攻撃に悪用され、サイトの閉鎖に追い込まれたり、復旧費用を負担できずにサービスを終了したりする事例も出ています。
一方、地域の中小企業や個人事業者の多くは、外注で制作したサイトの保守担当者がいなかったり、制作会社と連絡が取れなくなっていたりします。そもそも自社のサイトが脆弱性の対象かどうかを判断すること自体が難しいのが実情です。
診断から修正版への更新までを無償で支援
今回の取り組みでは、脆弱性の診断から修正版への更新までを無償で支援します。主な内容は次のとおりです。
- 対象:福島県・千葉県に本社または事業所を置く中小企業・個人事業主・団体、および両県内の自治体
- 対象のサイト:自ら運営しているWebサイト・Webサービス(制作会社と連絡が取れないものも含む)
- 支援内容:使用している技術とバージョンの調査、公表済みの脆弱性に該当するかの判定、修正版への更新作業または手順の案内、侵入の形跡がないかの確認
- 費用:無償
- 受付期間・件数:期限・上限なし。申し込み順に、対応できる限り対応
- 無償の範囲外:サイトの作り直し、大規模な改修、継続的な保守(必要な場合は別途相談)
- 申込方法:QuratedLab公式サイトのお問い合わせフォームで「脆弱性対応」を選択
調査や作業にあたっては、サーバーや管理画面へのアクセスを求める場合があります。預かった情報は支援の目的以外には使わず、作業後に削除するとしています。
気づいたときにサイト継続の判断を迫られる状況を減らしたい
QuratedLabの山田翔太郎氏(ReIT合同会社 代表社員)と鈴木保乃香氏(合同会社デザインL)は、千葉と福島で仕事をする立場から、脆弱性への対応は小さな会社や地方の組織ほど後回しになりがちだと指摘します。自分のサイトが危ないと気づくのが遅れ、気づいたときにはサイトを続けるかどうかの判断を迫られている。そうした状況を少しでも減らしたいという思いが、今回の取り組みの出発点です。
両氏は普段からAIを使って開発や運用を行っており、調査や対策を以前よりずっと少ない手間で進められるようになったといいます。その分の力を地元の事業者や自治体のために使いたいとし、「『うちのサイトは大丈夫だろうか』という段階でも構いません。まずは気軽にご相談ください」と呼びかけています。
QuratedLabは、ReIT合同会社(千葉県松戸市松戸1307-1 松戸ビル 13F、代表社員 山田翔太郎)と合同会社デザインL(福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字簗部沢山1091番地48)によるAIラボで、代表は山田翔太郎氏と鈴木保乃香氏です。AIを活用したシステム開発、企業向けAI研修、Webサイト・Webサービスの運用支援を手がけています。
出典:合同会社デザインL