マーケティング NEW

AIは名前を挙げても公式サイトを引用するとは限らない 化粧品10ブランドを対象にした美容液のAI回答調査でキュレルが言及率・引用率ともに首位

AIは名前を挙げても公式サイトを引用するとは限らない 化粧品10ブランドを対象にした美容液のAI回答調査でキュレルが言及率・引用率ともに首位 マーケティング

生成AIに美容液について尋ねると、回答にブランド名が挙がることがあります。ただし、その根拠として企業の公式URLまで示されるとは限りません。株式会社プレティアジャパンは、この「名前が出ること」と「公式情報が引用されること」の差を把握するため、国内の化粧品10ブランドを対象に、AI回答でのブランド言及と公式サイト引用の状況を調査しました。

グラフ① 10ブランドの言及率・公式サイト引用率(全有効回答4,313件)
グラフ① 10ブランドの言及率・公式サイト引用率(全有効回答4,313件)

5つの生成AIに計4,400回質問して分析

調査対象のAIは、ChatGPT、Google AI Overview、Google AI Mode、Gemini、Copilotの5つです。美容液に関する80問を各11回、計4,400回質問し、そのうち有効回答4,313件を分析しました。調査日は2026年10月21日です。対象ブランドは、SHISEIDO、キュレル、IPSA、メラノCC、ORBIS、FANCL、ETVOS、POLA、DECORTÉ、KANEBOの10ブランドです。

集計では、AI回答にブランド名が登場した割合を「言及率」、企業公式サイトのURLが情報源として表示された割合を「公式サイト引用率」としています。質問の意図は「情報・知識」「おすすめ・推薦」「悩み」「購入・比較」、形式は「キーワード」「曖昧な自然文」「具体的な自然文」で設計されています。

図②A 肌悩み別ブランド言及率ヒートマップ
図②A 肌悩み別ブランド言及率ヒートマップ

全体ではキュレルが両指標で1位、IPSAは引用率で2位に

有効回答4,313件全体を分母にした集計では、キュレルがブランド言及率18.2%、公式サイト引用率2.5%となり、どちらの指標でも1位でした。言及率では、メラノCCが12.5%、DECORTÉが11.6%で続いています。

一方、IPSAは言及率が2.0%で8位にとどまったものの、公式サイト引用率は2.2%で2位でした。なお、1つの回答に複数のブランドが含まれる場合があります。同じ質問であっても、ブランド名が出ることと公式URLが示されることは別の指標であり、順位も一致しないことが明らかになりました。

図②B 肌悩み別公式サイト引用率ヒートマップ
図②B 肌悩み別公式サイト引用率ヒートマップ

肌悩み6領域のうち2領域で首位ブランドが分かれる

調査では、80問を「シミ・くすみ」「紫外線・日焼け後の乾燥」「乾燥・保湿・敏感肌」「毛穴・皮脂」「ニキビ・肌荒れ」「ハリ・乾燥小じわ」の6領域に分類し、各領域の有効回答数を分母として集計しました。「乾燥・保湿・敏感肌」では、キュレルが言及率39.5%、公式サイト引用率5.6%でともに首位でした。「シミ・くすみ」でも、メラノCCが言及率33.2%、公式サイト引用率7.5%で両指標の首位でした。

「毛穴・皮脂」「ハリ・乾燥小じわ」では引用率首位がIPSAに

言及率と公式サイト引用率で首位が一致しなかったのは、「毛穴・皮脂」と「ハリ・乾燥小じわ」の2領域です。「毛穴・皮脂」ではメラノCCが言及率14.3%で1位でしたが、公式サイト引用率はIPSAが4.7%で1位でした。「ハリ・乾燥小じわ」ではDECORTÉが言及率20.3%で1位だったのに対し、公式サイト引用率はIPSAが3.1%で1位でした。また、公式サイト内で引用されるページの種類についても、商品詳細、特集、解説記事など、ブランドごとに違いが見られたとしています。

株式会社プレティアジャパン ロゴ
株式会社プレティアジャパン ロゴ

背景にある購買行動の変化と、同社が示す実務上のポイント

美容液を選ぶ際、「敏感肌でも使いやすいものは?」「毛穴が気になるとき、何を比較すればいい?」のように、自分の肌悩みから商品や成分、使い方を調べることがあります。店頭での相談に加え、生成AIに質問して選択肢や情報を整理しながら購入を検討する場面も広がっています。同社は、AIが自社の名前を挙げていても、回答で第三者サイトや競合のURLが示されれば、企業が用意した商品情報や肌悩みの解説が引用されているとは限らないと指摘しています。

そのうえで同社は、化粧品メーカーや美容EC事業者に対し、ブランドの言及率だけでなく、自社が注力する肌悩みの質問を起点に、引用された公式URLと実際のページ内容を照合し、商品詳細、肌悩みの解説、FAQ、特集ページなどを必要に応じて整備したうえで再計測することを推奨しています。なお、今回のランキングは調査対象の質問と、ブランド名・公式URLの判定ルールに依存するもので、市場シェアや売上順位、企業全体の品質評価を示すものではないとしています。4,313件のAI回答全文や引用元URLなどを含む詳細な調査レポートは、無料で提供されています。

株式会社プレティアジャパンは2025年1月29日に設立され、東京都港区芝浦に所在しています。代表者はイ・ボンギョ(LEE BONG KYO)氏、資本金は8,000万円です。「AIに相談して選ぶ時代のECをつくる」というミッションを掲げ、エージェンティックコマースAI SaaS「genser(ジェンサー)」、GEO/LLMO対策サービス「genrank(ジェンランク)」、AIショッピングプラットフォーム「gelatto(ジェラート)」を展開しています。関連会社は、2005年創業で2021年にKOSDAQへ上場した株式会社プレティア(韓国)です。

出典:株式会社プレティアジャパン

この記事を書いた人

webmaster

ビジネス・経済を軸に、経営・マーケティング・DX・キャリアの実務に役立つ情報を発信しています。