市場成長の背景と主要動向
この市場の主要な構造的変化は、自社運営の物流から外部委託のサードパーティロジスティクス(3PL)施設への継続的な移行です。2025年には、アジア太平洋のeコマース用倉庫市場における新規賃貸契約の65%を専門プロバイダーが占めると予測されています。
倉庫の種類別動向
2025年時点では、フルフィルメントセンターがアジア太平洋のeコマース用倉庫市場シェアの51.25%を占め、首位に立っています。一方で、小売業者が都市部での2時間以内配送を追求する中、ダークストアやマイクロフルフィルメント拠点はCAGR11.74%で成長しています。特に、ミールキット事業者や温度管理が必要な医薬品に牽引され、コールドチェーンの容量が最も急速に拡大しています。また、保税倉庫も越境返品や関税延納のメリットを管理するために規模を拡大しており、中国だけで24億個の小包を処理していると報告されています。
サービスと自動化の進化
保管業務は2025年時点でアジア太平洋のeコマース用倉庫市場規模の47.47%を占めていますが、ブランドがターンキーパートナーを求める中で、ピッキング・梱包業務は2031年までCAGR11.21%で拡大すると見込まれています。自動化された「商品から人へ(GTP)」システムは現在99.7%の精度を実現しており、手作業によるワークフローの97.5%を上回るため、アウトソーシングの正当性が高まっています。
GXOのマルチテナント・キャンパス・モデルは、ロボットの共有やクロスドッキングにより25~30%のコスト削減を実現しており、単一ブランド専用の倉庫から脱却する動きが加速しています。DSVは2025年、保管、フルフィルメント、ラストマイルを網羅する単一請求書パッケージにより、新規EC契約の34%を獲得しました。
課題と今後の展望
物流センターは依然として大量輸入の集積拠点としての役割を果たしていますが、複数の施設タイプを運用するブランドは在庫の可視性確保に苦慮しており、42%が施設形式を跨いだ在庫の死角を指摘しています。これにより、統合型コントロールタワーソフトウェアへの需要が高まっています。
付加価値の高いキット化、ラベリング、プラスチックフリーの梱包などのサービスは、作業の複雑さを増し、運営コストを15~20%押し上げる一方で、価格プレミアムも生み出しています。カーボンニュートラルな配送など、サステナビリティに配慮したサービスはニッチから主流へと移行し、2025年にはブランドの67%から要望されるようになりました。現在の競合上の優位性は、利益率を損なうことなく多層的なサービスを統合するソフトウェアにあり、これは昨年28%の売上増を達成したケリー・ロジスティクスの「Fulfillment Plus」プログラムが掲げる優先事項とも一致しています。
アジア太平洋のeコマース用倉庫業界は、キャンパス規模での統合と、ラストマイルのマイクロノード規模での細分化という両面を示しており、今後も多様な進化が予測されます。
本レポートの詳細については、以下をご参照ください。
アジア太平洋のeコマース用倉庫市場:市場シェア分析、産業動向・統計データ、成長予測(2026年~2031年)