40社中28社が「実務作業にAIを活用」と回答
SNSマーケティングや広告運用の支援を手がける株式会社BOTANICOは、自社の既存クライアント40社を対象に「AIを活用した日常業務・実務作業に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表した。メール対応などの日常的な実務作業にAIを使っているかという設問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた企業は70%(40社中28社)だった。それ以外の回答は30%(12社)だった。
調査では、メール対応をはじめ、文章作成、社内外との連絡、資料作成、情報整理といった日々の実務におけるAIの活用状況を尋ねた。BOTANICOはこの結果から、同社の既存クライアントでは、AIが特別な専門業務だけでなく、日々の業務を支えるツールとして使われていることがうかがえるとしている。
調査期間は2026年9月1日〜2026年9月30日で、有効回答数は40件。対象は同社の既存クライアントに限られ、国内企業全体の傾向を示すものではないと明記されている。また、ここでいうAI活用には、メール返信文や社内連絡文の作成、資料作成、情報整理など、実務作業の一部または全体における補助的な利用が含まれる。業務ごとの利用割合や具体的な利用頻度、作業時間の削減効果、業績への影響は測定していない。
メール、社内連絡、資料作成で想定される活用場面
同社は背景として、生成AIはマーケティング分析や画像制作、コンテンツ制作といった専門的な業務に加え、日常的な実務作業にも活用できる点を挙げる。企業の現場では、メール返信に時間がかかる、相手に合わせた文章を作成する必要がある、担当者によって文章の品質に差がある、定型業務に時間を取られて重要な業務に集中できない、少人数で複数の業務を担当している、といった課題が考えられるという。こうした課題に対し、AIによる文章作成や情報整理、定型業務の効率化が選択肢の一つになっているとしている。
頻繁に発生するメール対応について、AIが支援できる業務として同社が示しているのは次の通り。
- メール返信文の作成
- 問い合わせへの回答文の下書き
- 営業メールの文章作成
- お礼メールの作成
- 日程調整メールの作成
- リマインドメールの作成
- 長文メールの要約
- 文章の敬語や表現の調整
- 英文メールの翻訳・作成補助
- メール内容からのタスク抽出
メール以外では、社内連絡文の作成、会議議事録の要約、業務報告書の作成補助、提案資料の構成案作成、社内マニュアルの下書き、Excelやスプレッドシートの情報整理、業務引き継ぎ資料の作成などを用途として挙げる。情報整理や文章作成にかかる時間を短縮することで、担当者が判断や顧客対応、企画立案などの業務に集中しやすくなると考えられるという。
効率化と並んで求められる情報管理と品質管理
一方で同社は、メールには相手との関係性や契約内容、重要な情報が含まれる場合もあるため、AIが作成した文章をそのまま送信せず、人が確認することが重要だと指摘する。顧客情報や契約内容、社内資料、営業情報など機密性の高い情報を扱う場合があることを踏まえ、AI活用時に重要となる対応として次の項目を挙げている。
- AIに入力してよい情報の範囲を明確にする
- 個人情報や機密情報の取り扱いルールを整備する
- AIツールのデータ管理方針を確認する
- メール送信前に人が内容を確認する
- AIが生成した情報の正確性を検証する
- 社内で利用するAIツールを整理する
- 担当者ごとの利用方法を標準化する
- 定型業務から段階的に導入する
BOTANICOは考察として、AI活用では大規模なシステム導入や業務自動化が注目されがちだが、メール文章の作成や資料の要約など、日々の小さな作業を効率化することにも価値があるとする。ただし、作業時間を削減できても、文章の正確性や情報管理、顧客との関係構築を軽視すれば業務品質の低下につながる可能性があるとして、「AIによる文章作成・情報整理の効率化」と「人による判断・品質管理・顧客対応」を組み合わせることが重要との考えを示した。AIの導入自体を目的とせず、日々の業務に適切に取り入れて継続的な生産性向上につなげることが求められるとしている。
導入時のポイントと同社の支援領域
日常業務へのAI導入にあたって同社が重要な視点として挙げるのは、日常的に繰り返している業務の洗い出し、メール返信や文章作成などの定型業務からの導入、よく使う文章のテンプレート化、社内共通プロンプトの整備、業務時間の削減効果の定期的な確認、削減できた時間の顧客対応や戦略業務への活用などだ。特定の担当者だけが使える状態ではなく、組織全体で継続的に活用できる仕組みづくりが重要だとしている。
同社はSNSマーケティングや広告運用などの支援に加え、AIを活用したメール対応・文章作成支援、業務フローの整理・改善、社内向けAI活用研修、プロンプト・テンプレート整備、SNS・広告・SEO業務へのAI活用、社内のAI運用ルール整備、AIを活用したマーケティング内製化支援などを行っている。今後も、AIによる実務作業の効率化と人による判断や顧客対応を組み合わせ、企業の生産性向上とマーケティング成果の改善を支援していくとしている。
出典:株式会社BOTANICO