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「AIにはAI×ブロックチェーンを」 サイカルトラストがサイバー防衛のコア技術で特許2件を同時権利化

「AIにはAI×ブロックチェーンを」 サイカルトラストがサイバー防衛のコア技術で特許2件を同時権利化 DX・テクノロジー

サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江 剛)は、同社が開発・運営する「鑑定証明システム(R)」のサイバー防衛に関するコア技術について、日本特許2件が2026年10月2日に同時に付番・権利化されたと発表した。対象は特許第7933440号と特許第7933441号である。同システムは40件超の特許群で保護されている。同社は今回の2件を、可用性・堅牢性が極限まで求められる日本の重要インフラに「AI × ブロックチェーン」による次世代防衛網を実装するための礎となる技術と位置づけている。

同社はこの権利化を「日本初」としている。比較対象は、日本国内で次の2つの鑑定証明技術の双方について特許権の設定登録を受けた企業である。根拠は2026年10月時点の自社Web調べで、特許庁データベース「J-PlatPat」を用いた関連特許調査、公開情報および国内事業者の公開情報に基づいている。

  • 特許第7933440号:それぞれ異なる主体により運営される複数のAIモデルから、要鑑定対象の検証結果を取得して統合する。そのうえで、選定の証跡とともにブロックチェーン等の改ざんを検知可能な記録基盤に記録する技術
  • 特許第7933441号:AIエージェントが外部資源に対して実行しようとする行為を保留する。判定は当該AIエージェントとは異なる主体により運営され、その証跡をブロックチェーン等の改ざんを検知可能な記録基盤に記録する技術
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「AIにはAIを」の先に同社が示す構想

同社は、国家主導のフロンティアAIによるサイバー飽和攻撃が、経済安全保障上の最大の脅威になっているとしている。フロンティアAIとは、未知の能力を持ち、自律的にサイバー攻撃の計画・実行・学習を行う最先端の生成AIモデルを指す。こうした脅威に対し、政府・自民党は「AIを活用したサイバー攻撃には、防御側もAIを活用して対抗する(AIにはAIを)」という方針を打ち出している。一方で同社は、日本が自国産の強力な基盤LLM(大規模言語モデル)を持たない点を指摘する。そのため、防御を海外製AIや単一のAIツールに依存すれば、圧倒的な演算資源と攻撃特化モデルを国策で運用するハッカー集団の進化速度に敗北するリスクがあるという。

この構造的劣勢を覆すために同社が提唱するのが、「AIには『AI×ブロックチェーンを』」という考え方だ。同社は、中国政府が国家ブロックチェーンネットワークを2030年までに基本完成させると発表したことに言及している。そのうえで、サイバー空間の覇権を狙う国家は、攻撃にはAIを悪用しつつ、自国の重要インフラ統制には改ざん不能なブロックチェーンを最重要視していると説明する。この非対称な戦略に対抗するには、二つの要素をアーキテクチャ・レベルで分離・統合する必要があるという。防御側AIの「推論の速さ・柔軟性」と、ブロックチェーンの「数学的な真正性(トラスト)担保」である。そして、既存の重要インフラに即日アドオンできる防衛基盤が必要不可欠だとしている。

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防御AIが抱える4つの課題と、同社が示す解決策

同社は、ミッションクリティカルな既存の重要インフラに単なるAIセキュリティツールを導入するだけでは、非機能要件(可用性・完全性)を担保できないとしている。かえって新たな脆弱性を生み出すとも指摘し、課題を次の4つに整理している。

  • 防御側AIのデータ汚染(ポイズニング):学習データや検知アルゴリズムが密かに汚染されると、マルウェアを「正常」と誤認するようになり、防御網そのものが攻撃者の手先となる
  • ログ改ざんによる証拠隠滅:高度なAI攻撃は侵入と同時にアクセスログや構成ファイルを消去・改ざんする。その結果、被害の極小化と自律修復(ロールバック)が不可能になる
  • 中央集権型セキュリティの単一障害点:SIEM(統合ログ管理)やSOAR(自動対応システム)は真っ先に標的となり、一箇所の陥落でネットワーク全体の制御権が奪取される
  • 機密保持と脅威情報共有のトレードオフ:自社のシステム構成や脆弱性情報を開示するリスクが阻害要因となり、事業者間の情報共有と初動対応が遅れる

今回の特許技術を中心とする40件超の特許群は、これらの課題をブロックチェーンとゼロ知識証明(ZKP)によって解決するものだという。ゼロ知識証明とは、特定の情報を知っていることを、その情報自体を相手に明かさずに数学的に証明する暗号技術である。同社は、これらの技術で「アメーバ型自律防衛網」を、既存の重要インフラの処理性能(スループット)を損なうことなく実装するとしている。アメーバ型自律防衛網は、境界防御の突破を前提とした分散型防衛アーキテクチャで、侵入されても即座に検知・局所化・自律修復を行う。具体的な解決策は次の通りだ。

  • 防御側AIモデルのハッシュ値や学習データの来歴をブロックチェーンに記録する。真正性担保のプロセスを通信経路の外側(アウトオブバンド)に分離することで、ミリ秒単位の防御AIのパフォーマンスを維持したまま、AI自身が汚染されていないことを数学的に確定させる
  • ネットワークの構成状態や重要ログをブロックチェーンにアンカーリングし、改ざんできない証拠として保全する。これをフェイルセーフ機構として、自律的に正常状態へ復元する起点にする
  • 一部のサーバが破壊されても、残ったノードの合議制で防衛プロトコルを実行し続ける分散型制御プレーンを構築する。AIエージェントの単独権限行使のみでは影響が確定しないアクセス制御も実現する
  • 自社の機密情報を開示せず、特定のサイバー攻撃を受けた事実だけを暗号学的に証明して同盟間・企業間で同期する。これにより、分散型のインテリジェンス防衛網を形成する
「AIにはAI×ブロックチェーンを」 サイカルトラストがサイバー防衛のコア技術で特許2件を同時権利化

須江代表「既存システムをリプレイスしない独立したトラストアンカー」

須江代表は、可用性「99.999%」が求められる現場では、システムに干渉して遅延を招く防衛機構は受け入れられないと述べている。そのため「鑑定証明システム(R)」は、既存の重要インフラやAIシステムをリプレイスするものではないという。それらが常に正常に稼働していることを外部から監視・担保する「独立したトラストアンカー」として機能するよう設計されている。同代表は、「AIには『AI×ブロックチェーンを』」という理念について、LLM開発競争における日本のリソース不足を補い、国家と企業のデジタルインフラにレジリエンスをもたらす現実的な解だと考えているとしている。

事業展開の基軸として同社が掲げるのが「3層構造のオープンクローズ戦略」である。1層目はグローバルなデータ連携基盤(オープン領域)で、同社が日本代表として主導する国際標準規格を適用し、相互運用性を確保する。2層目は、システムの真正性を担保する「トラスト基盤(クローズ領域)」で、今回権利化された特許を含むすべての特許群でカバーする。3層目は、特許群には記載していない、完全にブラックボックス化した同社独自技術である。同社は国際標準規格と特許群を「両輪」としたビジネスプロデュースを進め、パートナー企業とともに「トラスト基盤」を提供していくとしている。

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「AI認証局」を見据えるデュアルユース・スタートアップ

サイカルトラストは、「AIオーケストレーション」と「ブロックチェーン」を用いた「鑑定証明システム(R)」を開発・運営するデュアルユース・スタートアップ企業だ。同システムは、あらゆる資産の真正性、本人証明、商品の所有者証明、サプライチェーン・トレーサビリティ証明、環境デューデリジェンス証明(GX)、人権デューデリジェンス証明などを担保する。中核となる特許群は、基本特許としての功績が認められ、2025年に「発明大賞(発明功労賞)」を受賞した。また、ブロックチェーンの国際標準規格「ISO/TC307(WG8)」では、日本代表として「ISO 26345」の策定を主導している。

同社のビジョンは「ウソ・偽りのないトラストな世界を」である。同社は、AIエージェントが自律的に社会を動かす時代に、すべてのAIに必須となるものがあると考えている。それは、AIが「本物か」「安心安全か」を第三者としてリアルタイムに鑑定証明する「AI認証局」である。同社は、その関所となるシステムとして「鑑定証明システム(R)」の特許群の権利化を引き続き進めるとしている。あわせて、国際標準規格として認定され世界共通インターフェースとなった「USB タイプC」になぞらえ、トラスト領域における同様のポジションを目指すとしている。

出典:cycaltrust株式会社

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