1~9名企業の46.5%が月次試算表を「作成していない」
調査結果によると、従業員1~9名の企業215社のうち、46.5%にあたる100社が月次試算表を「作成していない」と回答しました。
一方、従業員規模が大きくなるにつれて未作成率は顕著に低下します。10~29名企業では7.5%(8社)、30~49名企業では2.7%(3社)となり、50~99名企業では0.0%(0社)でした。特に1~9名と10~29名の間で大きな差が見られました。

試算表を作っていない1~9名企業の78.0%が「支援不要」と回答
月次試算表を作成していない1~9名企業100社に対し、経営数値を活用するための情報や支援の必要性を尋ねたところ、78.0%にあたる78社が「特に必要ない」と回答しました。この結果は、試算表を作成していない小規模企業の多くが、現時点では経営数値活用に関する支援を求めていない現状を示しています。

Bottinoの見解:なぜ78%が「支援不要」なのか
Bottino株式会社は、この「支援不要」という回答の背景には主に2つの可能性があると考えています。
一つは、小規模な企業の場合、「通帳+現場感覚」で会社の状況を把握できるケースがあることです。社長自身が営業、社員管理、顧客対応、入出金管理のほぼ全てを直接把握している場合、試算表がなくても経営が成立している可能性があります。
もう一つは、「数字の支援」と日々の経営判断が結びついていない可能性です。試算表や決算書を税金計算や過去の結果確認のためのものと捉えている場合、採用、値上げ、設備投資、資金繰りといった意思決定に数字を活用するイメージが生まれにくい状況が考えられます。
数字の経営活用率、1~9名企業の53.5%に対し10~29名企業は87.7%
試算表や決算書を経営判断に「十分に活用できている」または「ある程度活用できている」と回答した企業の割合は、従業員規模によって大きく異なりました。
1~9名企業では53.5%(115社)だったのに対し、10~29名企業では87.7%(93社)と、34.2ポイントの差が見られました。30名以上の企業では80~90%台を維持しており、1~9名企業のみが低い活用率となっています。

資金繰り・採用への数字活用にも大きな差
会社の数字の活用用途にも、従業員規模による違いが見られました。特に「資金繰りの確認・予測」では1~9名企業が18.1%、10~29名企業が39.6%と約2倍の差があり、「採用・人員配置・人件費の判断」では1~9名企業が4.7%、10~29名企業が28.3%と約6倍の差が生じています。
「経営判断には活用していない」と回答した割合は、1~9名企業で24.2%(約4社に1社)だったのに対し、10~29名企業では1.9%に留まりました。この結果は、企業規模が大きくなるにつれて、会社の数字が単なる「結果確認」から、資金繰りや採用といった将来の経営判断を行うための重要な材料へと変化している可能性を示しています。

税理士・会計事務所から説明を受ける割合も28.8%→61.3%に上昇
試算表や決算書の内容について、主に誰から説明を受けているかについても規模間の違いが確認されました。
1~9名企業では、顧問税理士・会計事務所から説明を受けている割合が28.8%、説明を受けず自分で確認している割合が48.4%でした。一方、10~29名企業では61.3%が顧問税理士・会計事務所から説明を受けていると回答しています。
Bottinoの見立て:「10人の壁」の正体は「社長の目が届かなくなること」
Bottino株式会社は、今回見られた「10人前後の段差」の本質は、従業員数そのものではなく、「社長一人の目で会社全体を把握できる状態から、数字を使わなければ把握できない状態への変化」にあると見ています。
同社の代表は、「会社が成長すると、売上は伸びているのに利益やキャッシュが残らない、人を採用して大丈夫なのか判断できない、といった『感覚だけでは判断しにくい瞬間』が訪れる。そのとき初めて、数字が必要になる」とコメントしています。そして、「勘か、数字か」ではなく、「勘+数字」で経営することの重要性を示唆しています。
今回の調査区分は「1~9名」「10~29名」であり、従業員10人という一点を統計的な転換点として特定したものではありません。しかし、試算表の作成、経営判断への活用、資金繰り、採用、専門家からの説明という複数の項目が同じタイミングで大きく変化している点は、中小企業の成長と経営管理を考える上で興味深い結果と言えるでしょう。
調査概要
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調査名: 試算表・決算書の経営活用実態調査
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調査期間: 2026年9月4日~9月5日
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調査方法: インターネット
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調査有効回答数: 539名
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調査対象: 全国の従業員1~99名の企業に所属する経営者・会社役員
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調査実施: GMOリサーチ&AI株式会社
Bottino株式会社について
Bottino株式会社は、兵庫県尼崎市を拠点に、外部CFO・MQ経営コンサルティング、バックオフィス業務代行、マニュアル作成・組織構築支援、システム開発の4事業を展開しています。「MQ会計」の手法を軸に、試算表・決算書を経営者が理解し、日々の意思決定に使える状態へ変えることを支援しています。
詳細については、以下のBottino株式会社のウェブサイトをご参照ください。