福岡市中央区に本社を置く株式会社キジトラ(代表:池田大季)は、AIをクラウド上で動かす基盤「Helmr(ヘルマー)」を活用した業務システムの開発・運用支援を開始しました。各社の業務ルールや既存システムに合わせて、AIが仕事を進める業務システムを提供します。業務のヒアリングから、システムの構築・導入、導入後の改善・運用までを一貫して支援します。

単発の作業ではなく、オペレーションそのものをAI前提に
生成AIの登場により、文章作成やリサーチなど、かつて人間が担っていた仕事の一部をAIに任せることが浸透しつつあります。一方で同社は、単発の作業を任せるだけではAIの力を十分に活用できているとはいえないとしています。業務のオペレーション自体をAI前提で構築し直し、AIが自律的に業務を進め、人間は人間がやるべき仕事に徹する組織へのアップデートが求められているという考えです。
AIが複数の業務フローを組み合わせて自律的に動く仕組みは「エージェンティックAI」と呼ばれます。キジトラは、現在の業務の課題を特定したうえで、現場ごとに合わせたエージェンティックAIを設計・開発し、導入後も実際の使われ方を見ながら改善・運用まで伴走します。

エージェンティックAIに任せるべき3種類の仕事
同社は、エージェンティックAIに任せるべき仕事を次の3種類に分類しています。これらをAI主体で進める仕組みを構築することで、人間は人間がやるべき仕事に集中でき、より速く、少ない工数で質の高い成果を出すことにつながるとしています。
- 人間には、これまで不可能だった仕事:時間帯や情報量の制約から、人間の力では対応が難しかった仕事。夜間の問い合わせへの迅速な一時対応や、20万件のデータを照合して内容の矛盾を探す等が例として挙げられています。
- 人間がやると、抜け漏れが発生しやすい仕事:手順や関係者が多く、状況が変わるたびに確認・調整が必要な仕事。イレギュラーな事象に対して社内のリソースを再調整し、関係者へ連絡する等が該当します。
- 人間が、あえてやらなくてもよい仕事:データの体裁を整える仕事や、決まった条件に沿って情報を照合・作成する仕事。取引先ごとに異なる発注書を販売管理システムに入力できる形に整える、稼働記録と契約内容を照合して請求書を作る等が例です。

業務の整理から設計・開発まで 想定される活用例
支援はまず、どの業務に工数がかかっているかを顧客と共に整理するところから始まります。そのうえで、AIに任せるべき仕事と人が注力すべき仕事を分類し、既存のシステムやコミュニケーション手段も含めて仕事全体の進め方を設計します。人間では手がまわらず困っている業務、抜け漏れが発生しやすい業務、工数を削減したい業務について、組織・チーム体制に応じたオペレーションを提案します。同社が示す業務の例は以下の通りです。
- 営業時間外の問い合わせ対応:問い合わせが来るとAIが稼働して内容と過去の類似の問い合わせを確認し、対応方針を決定。人間のレビューが必要と判断すれば調査結果を担当者に引き継ぎ、人間は翌朝、AIがまとめた内容を承認するだけで対応が完了します。
- 工場における製造ラインの割り当て:設備停止や追加注文が発生するとAIが受注情報とラインの稼働状況を確認し、割り当て案の作り直しと納期への影響の整理を実施。管理者が変更の可否を決定し、予定が確定したらAIが関係者全員に知らせます。
- 経費申請の作成・差し戻し・承認:申請が届くとAIが申請内容と社内ルールを確認し、不足項目があれば申請者に再質問やリマインドを行って必要な情報をすべて集めます。情報がそろえば申請書として承認者に引き継ぎ、承認者はAIがまとめた情報を見るだけで承認もしくは否認を判断できます。
- 毎月末の請求書の発行:請求の締め日にAIが稼働し、案件ごとの稼働記録を集計して担当者に確認。承認を得たら契約内容に基づいて請求書を作成し、送付前に責任者が金額と内容を確認したうえで、AIが請求書を送付し発行記録を保存します。

実行基盤「Helmr」と同社の強み
Helmrは、AIエージェントをクラウド上で動かし、作業を中断・再開できるオープンソースの実行基盤です。指定した時刻に仕事を始められ、人への質問と回答を挟んでも途中の作業を保持したまま再開できます。たとえば、申請書が共有フォルダに追加されたことを連携システムが検知するとHelmr上でAIの作業が始まり、AIは不足項目を申請者に尋ねて回答を待つ間は作業を中断、回答が届くと確認の続きから再開します。
同社は、AIを業務で動かすには回答を生成するだけでなく、途中で人の判断を受け取って続きを進める仕組みが必要だとしています。Helmrを土台に、各社の業務ルール、既存システムとの接続、担当者が使う画面を開発するため、AIの実行環境を案件ごとに0から用意する必要はなく、組織・チーム固有の業務の設計に注力できるとしています。
強みとして同社は3点を挙げています。1点目は、自社プロダクト開発でも企画・開発・レビューの工程をAI前提のオペレーションとして構築し、実験を重ねてきた技術力です。2点目は、10年以上にわたり多くの事業やプロダクトの立ち上げに携わり、アプリやWebサービスの体験を設計・改善してきたメンバーによる設計力で、担当者が何に時間を割き、どこで仕事が滞るかを整理したうえで導入後の進め方を共に設計します。3点目は、顧客管理や社内業務のシステムを企業ごとのデータや手順に合わせて構築・刷新してきた経験で、既存システムとの接続や管理画面の開発を担ってきたメンバーが、業界を問わず業務の効率化を支援します。
相談は同社のお問い合わせフォームで受け付けており、どの仕事をAIに任せられるかを共に考えるところから伴走するとしています。株式会社キジトラは2026年07月設立で、所在地は福岡県福岡市中央区天神4-6-28 いちご天神ノースビル7階です。
出典:株式会社キジトラ