株式会社インテリジェントウェイブ(IWI)は、同社が提供する量子シミュレーター「Qaptiva 800」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO懸賞金活用型プログラム/量子コンピュータを用いた社会問題ソリューション開発2」に採用されたと発表しました。採用は前回のプログラムに続くものです。IWIはこのプログラムの参加者に向けて、量子シミュレーターの開発環境を提供します。
社会課題の解決を目指すNEDOの懸賞金活用型プログラム
「NEDO懸賞金活用型プログラム/量子コンピュータを用いた社会問題ソリューション開発2」は、オープンイノベーションによって社会課題の解決や新たな産業の創出を目指す、懸賞金を活用したプログラムです。企業や研究機関などが参加し、技術面・社会面の課題を解決するためのプロダクトやサービスについて、開発と検証に取り組みます。
Qaptiva 800は、このプログラムで参加者が無料で利用できる開発環境の一つに位置づけられています。参加者は自前で環境を構築する必要がなく、高精度な量子計算シミュレーションを使いながら、アプリケーションの開発や検証を進められます。
Qaptiva 800の主な特徴
Qaptiva 800は、最大41論理量子ビット相当の量子回路を実行できるシミュレーターです。主要な量子プロセッサ(QPU)があらかじめモデリングされており、ハードウェアのスペックや演算精度も自由に設定できます。
- ゲート方式とアニーリング方式の両方に対応し、検証したい複数の量子計算方式や環境を柔軟に試せる
- 量子特有のノイズの有無や発生条件を細かく設定でき、NISQとFTQCに対応した研究が可能
- さまざまな量子コンピュータや開発ツールと連携でき、量子回路を効率的に設計・実行・検証できる
NISQとFTQCとは
NISQはNoisy Intermediate-Scale Quantumの略で、ノイズの影響を受ける中規模の量子コンピュータを指します。現在の技術的な制約から、この方式が主流となっています。
一方のFTQCはFault-Tolerant Quantum Computingの略です。量子エラー訂正技術を用いてノイズの影響を抑え、高精度な量子計算を実現する方式を指します。
量子技術の基盤形成と社会実装への貢献を目指す
IWIは今回の取り組みを通じて、量子技術の検証や開発を進める企業・研究機関への支援を強化するとしています。今後もQaptiva 800の提供によって多様な開発ニーズに応え、国内における量子コンピューティングの技術基盤の形成と社会実装に貢献していく方針です。
なお、掲載されている情報は発表日時点のもので、今後予告なく変更される場合があります。