横浜に本社を置く株式会社frame and surface(代表取締役:正司真大、以下FAS)と株式会社miraNEX(代表取締役:中村聡、以下miraNEX)は、WordPress保守サービス「プリケアWP2.0」の提供を開始します。従来の「プリケアWP」が担ってきた保守業務に、PHPのバージョン管理とAIによるWebサイトの総合健康診断を加えたサービスです。サイトを安全に保つことに加え、ビジネスに役立つ情報発信ができているかどうかも診断の対象にしています。

PHPの重大な脆弱性で浮かんだ、企業サイト管理の課題
2026年10月、PHPに外部から不正なプログラムを実行されるおそれがある重大な脆弱性「PHP2shell」が公表されました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は10月22日に対策情報を公開しました。さらに27日には、米国のCISAがこの脆弱性を実際に悪用されたものとして登録したことも報告しています。
PHP 8.2は、2026年12月31日に公式のセキュリティサポートが終了する予定です。Webサイトを運営する企業は、自社の利用環境を把握したうえで、必要な対応を判断しなければなりません。企業のホームページでは、WordPressやプラグインを更新するだけでなく、サーバー側のPHPを管理することも重要になります。
一方で、専任のWeb担当者がいない企業は、次のような課題を抱えています。
- WordPressやPHPが安全な状態なのか判断できない
- 更新するとWebサイトが正常に動かなくなるのではないかと不安がある
- 制作会社との契約が終了し、誰が保守するのか明確になっていない
- バックアップや復旧の方法が分からない
- サイトの問題に気づくのが、顧客から指摘された後になってしまう
Webサイトの問題はセキュリティに限りません。古い商品情報、リンク切れ、長期間更新されていないページ、検索されにくいコンテンツなども、企業が顧客との接点を失う原因になり得ます。両社はこれらを個別の問題としてではなく、企業ホームページを継続的に管理するうえでの課題として捉え、「プリケアWP」の機能を拡充しました。

「守る」に加えて、改善すべきページを見つける
WordPress・PHPの状態を継続的にチェック
WordPress本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップ、復旧、セキュリティ対策は、従来の「プリケアWP」から引き継ぎます。新たにPHPのバージョン、サポート期限、更新の必要性も確認し、利用環境に合わせた対応を案内します。更新時には、WordPressやプラグインとの互換性や事前のバックアップなどを考慮し、安全な運用を支えます。
全ページの更新状況とSEOをAIが診断
新機能の「コンテンツ健康診断」では、固定ページやブログ記事ごとに公開日、最終更新日、更新回数、更新頻度などを分析します。抽出の対象となるのは、たとえば次のようなページです。
- 1年以上更新されていない料金案内
- 情報の再確認が必要なサービス紹介
- 長期間更新されていないブログ記事
- 閲覧数が多いものの、問い合わせにつながっていないページ
AIは、更新されていない期間だけで判断するわけではありません。ページの内容や役割、検索実績なども踏まえて、更新が必要かどうかを評価します。あわせて、リンク切れ、XMLサイトマップ、内部リンク、ページの構成なども点検します。Google Analytics 4(GA4)やGoogle Search Consoleなどの情報を使って、検索キーワード、検索流入、ページごとの閲覧状況などを分析し、AIが検索されにくいページや、情報が不足しているページなどを抽出したうえで、見出し、本文、内部リンクなどの改善を提案します。専門知識がなくても、自社サイトの問題点と改善の方向性を把握しやすくするのが狙いです。
競合サイトとの比較診断も構想
上位のプロプランでは、指定した競合サイトとの比較診断「AI競合SEO診断」にも対応する構想です。競合サイトの公開情報をもとに、サービス説明、掲載テーマ、見出し、FAQ、コンテンツ構成などを比較します。そのうえで、自社サイトに不足している情報や、競合との差別化に役立つ改善ポイントを優先順位付きで提示します。
サービスの目的は、専門的な診断データを大量に並べることではありません。経営者やWeb担当者が毎月のレポートを見て、具体的な次の行動を判断できるようにすることにあります。レポートでは「料金案内ページは最終更新から1年以上が経過しています。掲載内容を確認してください」「サービス紹介ページは検索からの訪問があるものの、問い合わせへの誘導が弱いため改善を推奨します」「競合サイトと比較して導入事例が不足しています。事例ページの追加を検討してください」といった具体的な提案を示します。

2つのプランと今後の展開
プランは、企業の利用目的に応じて2種類が用意されています。ベーシックでは自社サイトの安全性と情報の健全性を、プロでは競合サイトとの比較によるWeb集客の改善までを支援します。
- ベーシック:WordPress保守、PHPバージョン確認、サイト健全性診断、ページ更新状況の分析、自社SEO診断、AI改善提案
- プロ:ベーシックの全機能に加え、競合サイトとのSEO・コンテンツ比較、競合との差を踏まえた改善提案
FASは従来の「プリケアWP」で、主要な保守作業をRPAで自動化してきました。これにより、人が対応すべき確認作業や緊急対応にリソースを集中させ、保守サービスの低価格化を実現しています。「プリケアWP2.0」は、この仕組みにAIによる診断を加えたものです。セキュリティ上の問題に加え、企業の情報発信やWeb集客上の課題も発見できるようにし、「問題が起きてから対応する」だけでなく、「問題を早期に見つけ、改善につなげる」ことを掲げています。Webサイトの専門知識を持たない企業でも安全性と情報の品質を継続的に確認できる環境を提供し、中小企業のデジタル活用を支援する方針です。
今後は、既存の「プリケアWP」の保守自動化技術を活用し、WordPress・PHPの健全性診断、ページ更新状況の分析、AIによる改善提案などの機能を段階的に整備していきます。プロプランでは競合サイトとの比較診断を強化し、企業がWebサイトを継続的に改善できる仕組みの充実を目指すとしています。
出典:株式会社miraNEX