大崎電気工業株式会社の100%子会社で、シンガポールに本社を置くEDMI Limited(以下、EDMI)は、米国市場への参入に向けて、米国の電力事業者と共同で実証試験を始めました。EDMIのスマートメーターを使った取り組みです。共同で実施するのは、米国オクラホマ州中部の電力事業者Central Rural Electric Cooperative(以下、CREC)です。CRECが電力を供給している家庭や事業所などにEDMIのスマートメーターを設置し、すでに設置されている他社製のメーターと比較して検証します。

AIによるデータセンター建設の加速で、次世代AMIへの投資が拡大
米国では、AI技術の発展を背景にデータセンターの建設が加速しており、電力供給の確保が重要な課題になっています。こうした背景から、米国では電力需要の増加への対応に加えて、電力網の制御強化や、電力の計測・監視・制御を高度化する次世代AMI2.0への投資が拡大しています。AMI2.0(Advanced Metering Infrastructure)は、スマートメーターで計測した電力使用量などのデータを通信ネットワーク経由で収集し、配電網(グリッド)をより高度に制御する仕組みです。
こうした市場環境を受けて、大崎電気グループは2025年度から米国市場での事業性の検証を進めています。2026年度中には、複数の電力事業者との実証試験に着手する予定です。

クラウド型管理システムとエッジインテリジェンスで配電網の運用高度化を評価
今回の実証試験では、EDMIのスマートメーターで電力使用量などのデータを収集し、分析します。取得したデータは、上位系ソリューション「Storm」で収集・管理します。Stormは、EDMIが提供するクラウド型の管理システムで、スマートメーターのデータ収集や監視・制御を担います。
さらに、エッジインテリジェンスを加えます。これにより、配電網の末端における電力使用状況や電力品質などのデータを分析し、配電網の状況把握や運用の高度化にどこまで有効かを評価します。エッジインテリジェンスは、配電網の末端にあるスマートメーターを活用してデータを分析し、局所的な制御を可能にする機能です。電力網の運用の高度化(全体最適)につながるものとされています。
- 実施企業:Central Rural Electric Cooperative
- 実施場所:米国オクラホマ州(CRECの電力供給先)
- 実施内容:EDMIスマートメーターの設置、電力データの収集・分析および導入効果の評価
CRECはこの実証試験を通じて、配電網の運用改善への効果を検証し、導入後の活用方法を検討します。EDMIは、米国の電力事業者に導入した場合の効果を把握し、今後の米国での事業展開に役立つ知見を蓄積していく考えです。

2027年度に事業性を見極め、採算性が十分あると判断した場合は2028年度以降の売上貢献を目指す
大崎電気グループは、2025年に米国に事務所を開設しました。現在は、米国市場の分析や潜在顧客の開拓といったマーケティング活動を進めています。2026年度から2027年度にかけては、米国の複数の電力事業者と実証試験を行います。あわせて、米国規格ANSIに対応した次世代スマートメーター「NEOS」の開発にも着手します。2027年度に事業性を見極め、採算性が十分にあると判断した場合は、2028年度に米国市場向けソリューションの開発を完了させ、営業活動を本格化させる計画です。同年度以降の売上貢献を目指しています。
両社トップのコメント
CRECのCEO、Shane Burgess(シェーン・バージェス)氏は、次世代の計測技術の検証でEDMIと協働できることを喜んでいると述べました。そのうえで、データへのアクセス向上と可視性の改善が、電力システムの信頼性や顧客へのサービス向上にどう寄与するかを、この実証を通じて評価するとしています。
EDMIのGroup CEO & Director、Roy Kirsopp(ロイ・カーソップ)氏は、今回のプロジェクトを、EDMIが米国市場で事業基盤を築くうえでの重要な節目だと位置づけています。45年以上にわたって培ってきたスマートメーターソリューションの経験を生かし、CRECによる次世代AMI機能の評価を支援するとともに、各電力事業者や地域社会のニーズへの理解を深めていくとコメントしました。
出典:大崎電気工業株式会社