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もやし製造業、5年間で13社が倒産・廃業 「売れているのに儲からない」構造が続く

もやし製造業、5年間で13社が倒産・廃業 「売れているのに儲からない」構造が続く 業界ニュース

株式会社帝国データバンクが、「もやし」製造業者の倒産と休廃業・解散(以下、廃業)の発生状況を調査・分析しました。2022~26年の5年間に倒産・廃業となったもやし製造業者は、計13件にのぼります。家計を支える食材として知られる一方で、作り手の経営は厳しい状況が続いています。

もやし製造業、5年間で13社が倒産・廃業 「売れているのに儲からない」構造が続く

2026年は少なくとも3件、サイキ食品を含めると4件

調査によると、2026年に判明したもやし製造業者の倒産・廃業は少なくとも3件です。これに、10月に事業を停止した埼玉の「サイキ食品」を加えると4件になります。サイキ食品は、埼玉県を中心にもやしを生産・出荷していた大手です。

帝国データバンクは、業界には小規模事業者も多く、表に出ない撤退まで含めると、実際にはさらに多くの製造業者が市場から姿を消したとみています。なお、集計期間は2026年10月31日までです。倒産は負債1000万円以上の法的整理を対象としています。休廃業・解散は、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認した企業、または商業登記等で解散(「みなし解散」を除く)を確認した企業を対象としています。

長年続く「安すぎる」価格の問題

もやし業界では、以前から販売価格が「安すぎる」ことが課題とされてきました。2017年には、工業組合もやし生産者協会が業界の窮状を訴える声明を公表しています。同じ2017年の11月には、原料豆卸の「大西商事」が価格転嫁できずに破産し、業界の厳しい実態に注目が集まりました。

2022年には、同協会が日本経済新聞に「このままでは生産者が消える」という全面広告を掲載しました。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとする物価高を背景に価格改定は進みました。しかし、「もやしは安くて当然」という認識を大きく変えるまでには至っていません。

コスト上昇が業績を圧迫、3社に2社で業績悪化

現在もコスト上昇の圧力は強い状況です。財務省貿易統計によると、もやしの主原料である緑豆の輸入単価は、2026年1~8月平均で前年同期比7.2%上昇しました。原料豆のほか、包装資材、電力などのエネルギーコスト、物流費、人件費も上がり続けており、業績にも影響が出ています。

「もやし製造」を主力とする企業のうち、2025年度の業績が判明した全国約20社では、約3割が最終赤字でした。減益企業を含めると全体の65%、つまり3社に2社で業績が悪化しています。業績悪化企業の割合は2021年度の75.0%をピークに改善傾向が続いていましたが、2025年度は4年ぶりに前年を上回りました。

  • 2025年度業績が判明した全国約20社のうち、約3割が最終赤字
  • 減益企業を含めた業績悪化企業は全体の65%(3社に2社)
  • 業績悪化企業の割合は、2021年度(75.0%)のピーク以降改善傾向だったが、2025年度は4年ぶりに前年を上回った

ほかの野菜の価格が高騰するなかでも、節約志向を背景に、もやしの需要そのものは底堅く推移しています。それでも、コストの増加分を十分に価格へ転嫁できず、「売れているのに儲からない」状態に陥っている製造業者は少なくありません。利益を確保している企業でも、健康志向を背景に単価の高いスプラウトや、カット野菜・ミックス野菜などを手がけ、もやし単体の低収益を補うケースが目立ちます。もやしだけでは利益を出しにくい構造は変わっていません。

懸念は価格から「安定供給」へ

もやしは地域密着型の生産体制が多く、1社が撤退するだけでも供給網に影響が出かねません。帝国データバンクは、「安くて当然」を前提とした販売構造から抜け出せなければ、生産者の減少は今後も続く可能性があると指摘しています。かつての「このままでは将来、価格が高騰する」という警鐘は、価格の問題にとどまらず、安定供給そのものを維持できなくなる懸念にまで広がりつつあるとしています。

出典:株式会社帝国データバンク

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