株式会社オプティマインド(本社:愛知県名古屋市中区、代表取締役社長:松下 健)は、「共同輸配送デジタルパッケージ」の提供を開始しました。共同輸配送とは、複数の荷主や物流事業者が、拠点間の輸送や納品先への配送を共同で行う取り組みです。新パッケージは、その実現をシステム面から支えます。構成は6つの機能で、まとめて導入することも、機能ごとに単体で導入することもできます。いずれの機能も、同社の輸配送最適化システム「Loogia(ルージア)」で培った技術をもとに開発されています。システムの提供にとどまらず、プロジェクト支援も行います。支援の範囲は、輸配送実績データを用いた共同輸配送の定量効果シミュレーションから、関係者間の条件整理、運用の定着までです。
共同輸配送は「構想」から「実装」の段階へ
物流業界では、2024年問題を契機に輸送力の不足が課題となってきました。これに加えて、2026年4月には改正物流効率化法が全面施行されました。一定規模以上の荷主企業には、物流統括管理者(CLO)の選任と中長期計画の作成が義務付けられています。こうした流れから、企業や業界の枠を超えて車両・拠点を共同で利用する共同輸配送への取り組みが広がっています。
業界ごとの動きも進んでいます。自動車、食品・飲料、日用品などの業界では、業界横断の共同輸送・共同配送プラットフォーム構想が具体化しています。国土交通省も、補助事業「共同輸配送や帰り荷確保等のための物流データ連携促進支援事業」などを通じて後押ししています。経済産業省と国土交通省がロードマップを示す次世代の物流システム「フィジカルインターネット」は、複数企業の車両・倉庫などの物流リソースを共有するネットワークが前提です。その実現には、拠点や企業をまたいだ最適化が欠かせません。
オプティマインドには、2026年に入り、荷主企業や物流事業者から共同輸配送に関する相談が業界を問わず多数寄せられています。その多くは実装段階の相談です。具体的には、「共同配送を進める方針は決まったが、実際にどれくらい効果があり、どこから進めるべきか」「どのようなシステムと仕組みが必要なのか」といった内容だといいます。
パッケージを構成する6つの機能
パッケージは、データの取り込みから配車計画、現場の運用、進捗の共有までをカバーする6つの機能で構成されています。
- データ標準化:荷主・物流事業者ごとに形式が異なる出荷指示・配送依頼データや各種マスタを、そのまま取り込みます。取り込んだデータは、配車計画に使える標準フォーマットへ自動変換されるため、各社がフォーマットを逐次揃える必要はありません。
- 中立データ基盤:競合関係にある複数の事業者のデータを、特定の荷主・運送会社に属さない中立的な立場で管理する基盤です。各社が投入したデータは共同輸配送の計画算出にのみ利用し、他社には開示しません。各社が閲覧できるのは、自社に関わる計画と実績に限られます。
- 全体最適配車:個社ごとに最適化するのではなく、複数荷主・複数車両の輸配送をひとつの計画として解くエンジンです。ラストワンマイル配送に加え、拠点間の幹線輸送の配車計画にも対応します。運賃を考慮した委託先への配分や、運送会社間の稼働の均等化など、条件を変えた複数の計画案を比較できます。
- 納品先カルテ:駐停車位置、搬入経路、受付・入館手順、納品方法、付帯業務など、納品先ごとの現場情報を写真付きで一元管理します。初めての納品先でも、ドライバーが迷わず配送できます。共同輸配送では、同じ納品先の現場情報を参加各社で共有し、ドライバー交代や応援時でも配送品質を維持します。共有するのは納品先の現場情報のみで、各荷主の取引・物量情報は共有しません。
- 送り状トレース:荷主・物流事業者ごとに形式が異なる送り状(QRコード・バーコード)を、ひとつのアプリで読み取れます。集荷・拠点入出荷・中継・お届けの各時点で、読み取りと同時に日時と位置情報を自動で記録し、荷物単位で輸配送の経緯を追跡します。写真や電子サインによるお届け証跡の保存にも対応しています。共同輸配送では複数荷主の荷物が同一車両に混載されます。そのため荷主ごとに閲覧範囲を管理し、各荷主は自社の荷物の情報のみを確認できます。
- 配送状況のリアルタイム共有:輸配送の進捗や着荷状況を、発荷主へリアルタイムに共有します。共同輸配送では、発荷主自身が車両を手配しない場合や、取引関係のない運送会社が運ぶ場合があります。そうした場合でも、発荷主は輸配送状況を常に把握できます。運送会社への問い合わせや確認の手間も削減します。
検討段階で押さえるべき4つの論点
オプティマインドは、複数の共同輸配送プロジェクトに関わってきました。その経験から、検討段階で押さえるべき論点を次の4つに整理し、それぞれにパッケージの機能を対応させています。
- 輸配送条件の緩和合意:納品時間・納品方法・車両指定などを、各社がどこまで揃えられるかという論点です。条件を変えた場合の効果を試算し、効果の大きい条件から交渉を始められます(全体最適配車・効果シミュレーション)。
- データの整備:各社で形式の異なるデータをどう揃えるか、どこまで開示できるかという論点です。各社の形式のまま取り込み、他社に開示しない形で管理できます(データ標準化・中立データ基盤)。
- 優先事項の決定:輸送費、積載率、各社の負担の均等化など、どのKPIを優先するかという論点です。優先するKPIを変えた複数の計画案を比較できます(全体最適配車)。
- 契約・規約の合意:運営主体、データの保有者、費用や効果の按分をどう決めるかという論点です。合意の材料となる効果を数字で示し、データの管理者と閲覧範囲を明確にできます(効果シミュレーション・中立データ基盤)。
条件の緩和や契約は、共同輸配送に参加する企業の間で協議して決めるものです。オプティマインドが用意するのは、その判断材料となる数字と、各社のデータを他社に開示しない形で預かる仕組みです。合意された条件は、全体最適配車で日々の配車計画に反映します。さらに、納品先カルテ・送り状トレース・配送状況のリアルタイム共有を通じて、現場の運用につなげます。
既存システムと併用できる「システムインフラベンダー」として
同社はこのパッケージを、「共同輸配送のシステムインフラベンダー」として提供します。複数の荷主・物流事業者のデータを預かる中立的な立場から、共同輸配送を技術面で支える役割です。パッケージは、各社が利用している基幹システムや輸配送管理システム(TMS)を置き換えるものではありません。API連携やファイル連携により、既存のシステムと併用できます。個社ごとの条件に応じたアルゴリズムの拡張や、既存システムとの連携開発にも対応します。相談は検討の初期から運用の段階まで受け付けており、想定されている内容は次のとおりです。
- 共同輸配送の相手先の候補があり、効果の大きさを確かめたい
- 共同輸配送の方針が決まり、各社のデータ形式を揃えて試算に進みたい
- 実証で確認した効果を、日々の運用として続けたい
- 共同輸配送の枠組みを運営する立場として、参加企業に提供するシステムを整えたい
今後は、共同輸配送を検討する荷主企業・物流事業者・業界団体への支援を広げます。あわせて、システムインテグレーターや物流事業者との協業も進める方針です。共同輸配送の計画と運用を技術で支え、輸送力不足をはじめとする物流業界全体の課題解決に寄与するとしています。
代表取締役社長の松下 健氏は、次のように述べています。「共同配送は、日本の物流の未来を支える意義の大きい取り組みです。一方で、実行に移すには、経営層、発荷主、着荷主、営業、運送会社といった多くの関係者の合意が必要です。私たちは、輸配送最適化のアルゴリズムと、現場に入り込んで仕組みを定着させてきた経験をもとに、合意形成の土台となる数字と、日々の運用を支えるシステムの両方を提供してまいります」
出典:株式会社オプティマインド