組込みソフトウェア開発の支援ツールを手がけるハートランド・データ株式会社(本社:栃木県足利市、代表取締役:下山 到)は、米オレゴン州ポートランドに本社を置くJama Softwareと正規販売代理店契約を結んだと発表しました。これにより、要件管理プラットフォーム「Jama Connect」の国内提供と、導入・運用を支援するサービスの提供を開始します。

大規模化・複雑化する開発現場で表面化していた課題
ハートランド・データはこれまで、動的テストツール「DTシリーズ」、テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」、プロセス管理ソリューション「Stages」を通じて、開発プロセスの標準化からテストの実行・検証まで、組込みソフトウェア開発の品質向上を一貫して支援してきました。
同社によると、近年は自動車、医療機器、航空宇宙、先端半導体などの分野で製品の大規模化・高複雑化が急速に進んでいます。ISO 26262、IEC 62304、Automotive SPICEといった国際規格への準拠が強く求められるなか、次のような開発上の課題が顕在化していたといいます。
- プロセスの形骸化と運用の断絶:定義した開発プロセスと、実際の要件定義や実装・テスト作業が分断され、規格準拠の実効性を保てない
- 要件・変更影響の追跡困難:ドキュメント中心の管理によってトレーサビリティが欠落し、仕様変更時に影響範囲を特定する工数が肥大化する
- 下流工程での手戻りリスク:上流の要件と下流のテストとの紐付けが不十分なため、テスト漏れや手戻りが頻発する
上流から下流までをつなぐ品質向上ソリューションへ
これらの課題に対応するため、同社はグローバルで豊富な実績を持つ要件管理/ALMプラットフォーム「Jama Connect」の取り扱いに踏み切りました。既存製品と組み合わせることで、開発ライフサイクル全体を通じた総合的な品質向上ソリューションの提供を実現するとしています。各製品の役割は以下のとおりです。
- プロセス定義・管理(Stages):組織やプロジェクトの標準開発プロセスを定義・可視化し、国際規格への適合基盤を確立
- 要件管理・トレーサビリティ(Jama Connect):定義されたプロセスに沿って、要求・仕様・テストの双方向リンクと変更影響の追跡をリアルタイムに実現
- テスト自動化・動的解析(AUTOmeal、DT+):要件に基づく実機テストの自動化と動的解析を行い、確実な品質検証と手戻り削減を推進
上流のプロセス・要件定義から下流の実機テスト・解析までをシームレスにつなぐことで、ミッションクリティカルな開発現場における品質の担保と開発コストの削減をトータルに支援していく考えです。
「Jama Connect」の主な特徴
Jama Connectは、ALMの根幹となる「要件管理」と「開発ライフサイクル全体を通したトレーサビリティの確保」を、直感的なWebインターフェースで実現するプラットフォームです。主な特徴・機能として、次の点が挙げられています。
- 要件のアイテム化と変更影響の局所化:ドキュメント単位の管理から脱却し、要件を個々の「アイテム」として細分化。ステータスやバージョン履歴を独立して追跡し、仕様変更の影響をピンポイントで特定・管理する
- TIM(Traceability Information Model)によるエンドツーエンドの追跡:顧客要求からシステム・ソフトウェア要件、テストケースまでをリニアに関連付け、カバレッジ不足や影響範囲を即座に可視化。監査に必要なトレーサビリティマトリクスも容易に出力できる
- コラボレーション・レビュー機能:特別なトレーニングを必要としないモダンなUIを採用し、レビュー依頼・承認・バージョン比較・電子署名による監査証跡までをプラットフォーム上で一元管理する
- 外部開発環境との連携(Jira・Git連携/Jama Connect MCP):JiraやGitとのシームレスな連携に加え、MCP(Model Context Protocol)を介してIDEや開発環境のAIと接続でき、業務に応じたALM環境を柔軟に構築できる
想定される適用分野
主な適用分野・業界として、以下が示されています。
- 自動車・モビリティ:ISO 26262、ASPICE、ISO/SAE 21434への適合支援、OEM/Tier1間の要件トレーサビリティの担保
- 医療機器:ISO 13485、IEC 62304への適合、設計管理からリスクマネジメントまでの追跡性確保
- 航空・宇宙・防衛:DO-178C、DO-254の認証審査対応、MIL規格に準拠した厳格なアクセス制御と証跡管理
- 半導体:先端SoC/ASIC開発におけるHW・FW協調設計の要件ギャップ解消、手戻りリスクの削減
なお、Jama Softwareは2007年設立で、CEOはMarc Osofsky氏。ハートランド・データは1982年1月18日設立、資本金3,200万円で、受託開発、組込み開発支援ツールの開発・販売、エンジニアリングサービスを事業としています。