全国ワークスタイル変革大賞実行委員会は、2026年10月16日(金)に鹿児島県庁 18階展望ロビー東側(鹿児島県鹿児島市)で開催した「全国ワークスタイル変革大賞2026 九州・沖縄大会」の審査結果を発表しました。

当日は九州・沖縄の企業4組が、デジタルを活用した働き方の変革について公開プレゼンテーションを行いました。戦略性・浸透度・成果・再現性・デジタル技術の活用・熱意の6つの観点で審査した結果、最優秀賞に株式会社ペンシル(福岡県福岡市)が選ばれました。同社は、2026年12月16日(水)に東京で開催する全国大会に、九州・沖縄エリアの代表として出場します。
受賞結果
最優秀賞
株式会社ペンシル
発表タイトル:ケンタウロス思考から鵺(ぬえ)思考へ!AIとの共進化でかなえる企業成長と価値創造の加速

優秀賞
株式会社fab
発表タイトル:鹿児島の小さな飲食店の働き方変革が、「社外店長」という事業になるまで。

奨励賞
株式会社ワールドスタッフィング
発表タイトル:「はたらく」を、もっと暮らしのそばへ。制約を組織の強さに変えた、リモート営業組織の新常識
WizTry株式会社
発表タイトル:人は重要判断へ、AIは調査・確認・更新へ―災害情報運営の働き方変革

受賞組織の取り組み概要と評価ポイント
株式会社ペンシル(最優秀賞)
取り組み概要
福岡県福岡市に本社を置く株式会社ペンシルは、創業31年・スタッフ数140名の研究開発型Webコンサルティング会社です。2020年からDX経営を進め、人と複数のAIがチームとなって互いの能力を補い合う「ケンタウロス思考」で働き方を変えてきました。一方で、AIを使いこなすほど出力が平均化し、AIの答えを選ぶことにとどまって、自ら判断や挑戦を始められないスタッフが多くいました。そこで経営方針を、個人のビジョンと組織のビジョンを重ねる「AX経営」に改め、AIにあえて極端な偏りや性格を持たせ、人とAIが互いに影響し合って考え方を更新する「鵺(ぬえ)思考」を取り入れています。
・異なる性格と視点を持つ5人のAIスタッフのチーム「Φ’s(ファイズ)」を結成。たとえば「前提を壊す」偏りを持つAIは前提を疑う視点を返し、社員は反論する過程で、自分が起こしたい変化や違和感を言葉にする
・全社員に自社開発のアプリ「miniΦ」を配布。AIスタッフがデスクトップに常駐し、行動規範やミッションを踏まえた四半期ごとの目標設定とアクションプランの作成を支援するほか、社内用語に対応した文字起こしや議事録の作成も担う
・自分に合うAIを見つける診断、AIスタッフ同士の模擬会議、ゲーム要素を取り入れた利用促進を導入。生まれた挑戦を形にするため、AI駆動開発を担うグループ会社 PENCIL LEAP Edge を設立し、静岡福祉大学とはAIとのコミュニケーションをテーマに共同研究を進めている
主な成果
・スタッフの変化:AIが示した選択肢から1つを選ぶ「答えを選ぶ人」 → AIの回答を素材に修正や再質問を重ね、仮説を育てる「研究者」へ
・新サービス・新事業の立案数:10倍、新サービスの創出数:2.7倍
・2020年からのDX経営:離職率 30% → 10%、年間工数 6,509時間の削減、システム開発期間を3分の1に短縮
同社は今後、一人ひとりの挑戦を会社の新しい価値につなげる「AX経営」のモデル化を目指し、偏りを持つAIとの共進化の研究を続けるとしています。
評価ポイント
AIに偏りを持たせ、人とAIが共に進化するという、これまでとは異なるAIの使い方を示した点が評価されました。この発想を全国に広めてほしいとの期待も寄せられました。
株式会社fab(優秀賞)
取り組み概要
鹿児島県日置市の株式会社fabは、飲食部門で人手不足、どんぶり勘定、業務の属人化、経営者の現場への張り付きが重なり、赤字に陥っていました。「省人化」「見える化」「教育の動画化」の3本柱で、セルフレジや配膳ロボットの導入、生成AIを使った店長アプリ「TENCHO」の開発、12本の教育動画の制作を進め、1年で赤字を縮小しました。1人あたりの生産性は3倍になり、閉店後の店舗の無人貸出も新たな収入源になっています。同社は今後、自社のスタッフが地域の飲食店の「社外店長」となり、商品供給・数字の見える化・動画教育で支える事業に取り組むとしています。
評価ポイント
飲食店に希望を灯す取り組みである点が評価されました。働き方の見直しとAIの活用で現場が大きく変わり、スタッフの笑顔が増えている点、来店客数を変えずに店の回転数を高めた点も評価されました。
株式会社ワールドスタッフィング(奨励賞)
取り組み概要
総合人材サービス会社として、子育て世代の就業機会を広げるため、在宅ワーカーが企業の法人開拓を代行する、フルリモート型のインサイドセールス事業を立ち上げました。午前だけ・午後だけ働ける人で1つの業務を分け合うワークシェアリング、商談の獲得などを即時に通知するノーコードのCRM、AIによる録音・録画の評価を育成に取り入れています。メンバーは4名(2021年)から18名(2026年)に増え、2026年10月の調査では全員が「友人に勧めたい職場」と回答しています。
評価ポイント
人手が不足するなか、在宅ワーカーが営業を担う仕組みを築いている点が評価されました。地方で暮らし続けたい人や、介護のために地方へ戻る人のキャリアの継続にも生かせる点も評価されました。
WizTry株式会社(奨励賞)
取り組み概要
生成AIの導入支援を手がけるWizTry株式会社は、令和8年熊本地震の翌日に公開した「くまもと被災者支援ナビ」の運用を通じて、AIを前提にした働き方に切り替えました。公開直後はすべての掲載が代表の確認待ちになり、判断が追いつかなくなったため、判断基準を手順書にしてAIに渡し、定型の更新はAIが反映して事後に報告し、迷うものだけを人が判断する形にしました。つまずいた教訓はAI自身が手順書に書き戻し、手順書は60行から約4万3,000行に増えています(2026年10月14日時点)。同社はこの働き方を自社の業務にも広げ、デスクにいる時間を1日30分以内にし、年内に銀行振込以外の自社業務をAIエージェントに任せることを目標としています。
評価ポイント
AIが調査・確認・更新を担い、人は判断に集中する働き方によって、被災の翌日に公開し、複数の機関に点在する情報をまとめて正しいかどうかの確認まで続けている点が評価されました。AIで回す組織で得た知見を、企業や行政に広げていく取り組みにも期待が寄せられました。
イベント概要
・名称:全国ワークスタイル変革大賞2026 九州・沖縄大会
・開催日時:2026年10月16日(金)13:30〜15:30
・会場:鹿児島県庁 18階展望ロビー東側(鹿児島県鹿児島市鴨池新町10番1号)
・審査員:中村 祥子(一般社団法人ノーコード推進協会 理事)、石川 浩司(一般社団法人ライトハウスDX支援協会 理事長)
・主催:全国ワークスタイル変革大賞実行委員会
・全国DX推進パートナー:株式会社kubell、株式会社セールスフォース・ジャパン
・運営協力:エコー電子工業株式会社、株式会社システムフォレスト、中津家具株式会社、株式会社サカナカケル、株式会社カシスト、株式会社クレヴァシステムズ
・後援:九州経済産業局、九州総合通信局、沖縄総合通信事務所、鹿児島県、鹿児島市、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、(一財)全国地域情報化推進協会、(一社)日本中小企業診断士協会連合会、(一社)テレコムサービス協会、(一社)日本コンピュータシステム販売店協会
・公式サイト:https://workstyle-transformation-awards.jp/
主催団体について
全国ワークスタイル変革大賞実行委員会は、一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会が事務局を運営しています。
・名称:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会(JDX)
・事務局所在地:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア
・代表者:代表理事 森戸 裕一
・発足:2010年6月(法人化:2010年10月)
・事業内容:DX推進人材の育成、自治体DX推進プロジェクト、産業振興・政策提言ほか
・URL:https://jdxa.org
本記事は、JDXが2026年10月19日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース:最優秀賞にペンシル AIにあえて「偏り」を持たせ、人と共に進化する「鵺(ぬえ)思考」で全国大会へ