DX・テクノロジー NEW

QueryPie AI、機密情報の検知に特化した意思決定AIモデル「QEV」を開発

DX・テクノロジー

エンタープライズ向けデータセキュリティおよびAIプラットフォームを提供するQueryPie AI合同会社(所在地:東京都港区、代表:有延 敬三、以下「QueryPie AI」)は、独自の意思決定AIモデル「QEV」を開発し、情報漏えい防止(Data Loss Prevention、以下「DLP」)分野において、外部の商用AIモデルを上回る機密情報検知性能を実現しました。

QEVは、入力された文章を分析し、あらかじめ定義された基準に基づいて分類、条件判定、スコア評価などを行う、意思決定に特化したAIモデルです。一般的な生成AIがテキスト生成や質疑応答を中心とするのに対し、QEVは与えられた情報をもとに、定められた選択肢の中から適切な結果とその確率を返すことに特化しています。

QueryPie AIは、Gemma 4をベースに独自の意思決定AI技術を実装し、企業のセキュリティ業務データを活用した追加学習と最適化によって、機密情報の検知に特化したQEVモデルを開発しました。さらに、企業ごとのデータや業務特性に応じてモデルを追加学習できるよう設計することで、さまざまなエンタープライズ環境での活用可能性を確保しています。

■ 独自開発モデルは、商用AIモデルと比較してDLPの検知漏れを91.3%削減

QueryPie AIは、日本語・英語・韓国語で構成された社内文書3,167件を対象に、独自開発モデルと外部の商用AIモデル(JEV)のDLP検知性能を比較評価しました。

その結果、QEVは検知率99.69%、F2スコア98.98%を記録しました。機密情報を含む文書1,281件のうち、検知できなかった文書はわずか4件でした。同一の評価において、外部の商用意思決定AIモデル「JEV API」の検知漏れは46件であり、QEVは商用モデルと比較して検知漏れ件数を約91.3%削減しました。

また、QEVの軽量モデルは正解率98.58%を記録し、評価対象モデルの中で最も高い正解率を示しました。

指標

汎用LLM API(JEV)

QEV

QEV(軽量モデル)

見逃し

46件

4件

24件

誤検知

34件

50件

21件

正解率

97.47%

98.29%

98.58%

F2スコア

96.59%

98.98%

98.17%

今回の成果は、汎用AIモデルに対して企業の特定業務に合わせた追加学習と最適化を行うことで、その業務において高い判断性能を実現できることを示しています。

■ 個人情報から未公開の企業情報まで、文脈に基づいて分類

QueryPie AIは、独自開発したQEVモデルを使用し、実際の企業業務で想定される架空のメールやAIへの入力文章10件を対象としたデモテストも実施しました。

テストでは、入力文章を「機密情報なし」「個人情報を含む」「社内機密情報を含む」「個人情報と社内機密情報の両方を含む」の4つのカテゴリに分類しました。その結果、顧客の氏名、連絡先、配送先住所を含む文章は個人情報として、発表前の法人向け料金や割引条件を含む文章は社内機密情報として分類されました。

また、顧客情報と未公開の事業情報が同時に含まれる文章については、両方の機密情報が含まれていると判定しました。一方、すでに公開されているイベント案内や一般的な日常会話については、機密情報を含まない文章として分類するなど、10件すべてのテストケースにおいて、あらかじめ定義された基準に合致する結果を返しました。

QEVは、機密情報の有無を判定するだけでなく、その情報の種類や具体的な内容まで識別することができます。これにより、企業はどの情報がセキュリティポリシーに抵触する可能性があるかを把握し、機密情報の確認や承認プロセスなど、さまざまなセキュリティ業務に判定結果を活用できます。

■ 高い検知性能と運用効率を両立、GPUメモリ使用量を最大45.2%削減

QueryPie AIは、QEVの高い機密情報検知性能を維持しながら、企業環境における運用効率を向上させるため、8ビット整数量子化(INT8)技術を適用しました。

量子化とは、AIモデルの演算に使用するデータの精度を下げることで、メモリ使用量を削減する技術です。QueryPie AIは、QEVシリーズのモデルを対象に、量子化前後の性能とGPUメモリ使用量を比較評価しました。

その結果、機密情報の検知性能をおおむね維持しながら、GPUメモリ使用量を27.5~45.2%削減しました。特に、検知率99.69%を記録したQEVモデルは、量子化後も検知漏れ件数を4件に維持し、F2スコアは従来の98.98%から99.02%へと向上しました。

これにより、QEVは商用AIモデルと比較して高い機密情報検知性能を実現するとともに、限られたGPUリソースを効率的に活用できる可能性も実証しました。QueryPie AIは今後、実際の企業環境での活用を見据え、モデルの性能と運用効率のさらなる最適化を進めていく方針です。

■ 企業ごとのドメインに特化できる意思決定AI技術

QEVは、特定のセキュリティ機能に限定されたモデルではなく、企業ごとのデータや業務特性に応じて追加学習・最適化できる意思決定AIモデルです。QueryPie AIは、独自のモデル開発・学習技術を基盤として、企業のセキュリティポリシーや判断基準を反映した特定ドメイン向けAIモデルを実装し、活用範囲を拡大していく方針です。QueryPie AIの担当者は、次のようにコメントしています。

「QEVは、企業のさまざまな業務環境で求められる判断をAIによって実行するため、独自技術を用いて開発した意思決定AIモデルです。今回の機密情報検知性能の検証を出発点として、企業ごとのセキュリティポリシーや業務特性に最適化されたAI技術を継続的に高度化し、幅広いエンタープライズ領域へと活用範囲を拡大していく計画です」

■ Hugging FaceでQEVを公開、デモページでも体験可能

QueryPie AIは独自開発したQEVをAIモデル共有プラットフォーム「Hugging Face」で公開し、誰でもモデルの性能や活用可能性を直接検証できるようにしました。

あわせて、QEVの意思決定機能を手軽に体験できる専用デモページも公開しました。デモは日本語・英語・韓国語に対応しており、あらかじめ用意されたテストケースやユーザーが直接入力した文章をもとに、モデルの分類結果と各選択肢の確率を確認できます。

■ 提供方法・価格

QEVを活用したDLPソリューションは、QueryPie AIによる直接提供に加え、販売パートナーを通じて提供します。導入前にお客様の業務データでの検証を行い、実測値をもとに導入を判断いただけます。

  • 提供方法:QueryPie AIによる直接販売、および販売パートナー経由

  • 提供形態:SaaS型/オンプレミス型

  • 価格:利用規模・構成に応じて個別にお見積り(お問い合わせください)

  • 導入に関するお問い合わせ:https://querypie.ai/contact-us

■ QueryPie AI について

エンタープライズ向けデータセキュリティおよびAIプラットフォームを提供するグローバルAIカンパニーです。2016年に米国シリコンバレーで設立され、クラウド・オンプレミス双方の企業環境に対応したアクセス制御・監査基盤を長年にわたって開発・提供してきました。

セキュリティ領域では、SOC 2 Type II、ISO/IEC 27001、ISMS-P、PCI-DSS、CSA STARなどの国際標準への準拠を基盤として、権限管理・承認・監査・機密情報保護を一貫して維持できるゼロトラスト型のセキュリティプラットフォームを提供しています。

近年では、このセキュリティ基盤にAI機能を融合し、企業がAIツールやAIエージェントを安全に活用できる環境を整備するとともに、今回発表の意思決定AIモデル「QEV」をはじめとする独自AI技術の開発・実用化を推進しています。

Y Combinator、Salesforce Ventures、ソフトバンク系Z Venture Capitalなどのグローバル投資家から累計60億円以上を調達し、日本・米国・東南アジア市場で事業を拡大しています。

日本市場における展開

日本のエンタープライズ企業に対して、エンタープライズAIプラットフォーム「QueryPie AIP」の提供・導入支援およびFDEサービスを提供しています。QueryPie AIPとFDEを通じたハンズオン支援の組み合わせにより、日本企業がAIを業務の現場で安全かつ実践的に活用できる環境を構築してまいります。

  • 所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階

  • 代表者:有延 敬三

  • URL:https://www.querypie.ai/

※本文中に記載された会社名、サービス名等は該当する各社の登録商標です。

本記事は、QueryPie AIが2026年10月19日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース:QueryPie AI、機密情報の検知に特化した意思決定AIモデル「QEV」を開発

この記事を書いた人

webmaster

ビジネス・経済を軸に、経営・マーケティング・DX・キャリアの実務に役立つ情報を発信しています。