日本の現実資産(RWA)オンチェーン化に向けた閉門交流会開催と戦略的業務提携の締結

交流会の概要と議論の焦点

本イベントには、日本の伝統的金融機関、上場企業、実物資産(RWA)事業者、ステーブルコイン発行体、Web3インフラ企業など60名以上が参加しました。議論の中心は、暗号資産そのものではなく、日本の不動産・信託・ファンド持分といった安定したキャッシュフローを持つ実物資産を、いかに規律ある形でオンチェーン化し、国際的な資本と結び付けるかの手法に置かれました。特に、日本市場が持つ「良質な資産」「信頼できる機関」「比較的明確な規制」という強みを、グローバルなオンチェーン流動性へどう接続するかが主要テーマとして議論されました。

ASIAN STAR代表取締役会長の呉 文偉氏は、RWAを単なるトークン発行ではなく、コンプライアンスを前提とした資産のデジタル化とグローバル分配として捉えることの重要性を強調しました。また、ASIAN STARの100%子会社であるAsian Star (Hong Kong) Limited代表取締役のSean Wu氏は、約300兆円規模の日本不動産市場の流動性ポテンシャルと、BNB Chainの低コストな決済基盤を組み合わせることで、不動産や信託受益権に収益分配、担保融資、再投資といった機能を規律ある形で付与できる構想を示しました。

BNB Chain代表のZach氏は、RWA業界が「いかに規模を拡大するか」を解決する段階へ移行していることを指摘し、BNB Chainが日本資産により効率的な分配・活用のインフラを提供したい意向を述べました。Hash Global創業者の沈 康(KK)氏は、「日本の優良資産 × 米ドル/円ステーブルコイン × BNB Chainのグローバル流動性」という協業フレームワークを提示し、日本市場が資産の真正性、コンプライアンス、投資家保護を担い、パブリックチェーンのエコシステムが国際的な分配と決済効率を提供するという役割分担を説明しました。

Osaka Digital Exchange代表取締役社長CEOの朏 仁雄氏は、日本のセキュリティトークン(ST)市場の現状について言及しました。会場での説明によると、日本のST累計発行額は約3,500億円に達しているものの、市場は依然としてプライベートチェーンと従来型証券会社による分配が中心であり、グローバルなWeb3ユーザーやパブリックチェーン・エコシステム、オンチェーンでのセカンダリー流動性との接続には、なお大きな拡張余地があるとの見解を示しました。

パネルディスカッションの要点

リアル世界資産のトークン化とコンプライアンスの境界

パネルディスカッションでは、資産の「オンチェーン化」自体がゴールではなく、流動性はまず信頼できる原資産と真の双方向の取引需要から生まれるという共通認識が示されました。明確な規制、ライセンスを保有するパートナー、機関投資家向けカストディ体制、情報開示、市場間の分配、マーケットメイクの仕組みに支えられることが重要であると議論されました。また、コンプライアンスは機関投資家資金の呼び込み、資産の安全性、責任の追跡可能性を担保するインフラであるとの指摘もなされました。

ステーブルコイン、オンチェーン決済とグローバル流動性

円ステーブルコインが、日本国内の決済手段にとどまらず、日本資産の国際決済・グローバル分配のチャネルへと発展していく可能性について議論が交わされました。登壇者は、ステーブルコインの根幹はブランド、ライセンス、AML体制、準備金管理、予測可能なミント・償還の仕組みなどに基づく「信頼」であるとの認識で一致しました。円ステーブルコインの供給と利用シーンが拡大すれば、日本の不動産、上場株式、MMF(マネー・マーケット・ファンド)等の資産と、より効率的なオンチェーン決済のクローズドループを形成できるとの展望も示されました。

今後の展望

ASIAN STARとHash Globalは、今回のMOU締結を受け、日本の不動産ファンド事業のBNB Chainエコシステムにおける展開に向けて協業をさらに検討していく予定です。規制環境の整備、機関投資家の参入、オンチェーンインフラの拡充が進むにつれ、日本におけるRWAの機会は、単なる「資産のデジタル化」にとどまらず、発行、決済、分配、取引、担保、資産管理までを網羅する機関化された金融インフラの構築へと広がりつつあります。ASIAN STARは、Hash Global、BNB Chainのエコシステムパートナーとともに、日本の優良資産とグローバルなWeb3資本の接続を引き続き推進し、現実世界資産のより幅広いオンチェーン活用を後押ししていく方針です。