東北電力ネットワーク株式会社と株式会社日立製作所は、自然災害時に行う「臨時巡視業務」を支援する機能を共同で開発しました。この機能は、平常時に使っている変電設備状態管理システムに組み込まれ、10月1日から運用が始まっています。
平常時の巡視システムを災害時にも使えるように
変電設備状態管理システムは、両社が共同で開発したシステムです。変電設備の状態や巡視情報を管理するもので、これまでは平常時の設備巡視について、計画の作成から、現地でスマートフォンを使って巡視結果を記録・共有するところまでを担ってきました。
今回追加された機能により、自然災害時にも同様の機能を利用できるようになります。変電設備の臨時巡視について、巡視計画の作成から巡視結果の記録・共有までをシステム上で行えるようにしたもので、平常時に加えて災害時の巡視情報も一元的に管理できるようになります。
紙と電話・メールに頼っていた従来の課題
自然災害の激甚化・頻発化が進む中で、迅速な災害復旧対応が求められています。一方で、これまでの臨時巡視業務では、紙ベースで作成した巡視計画を使い、巡視結果などの情報は電話やメールでやり取りしていました。そのため、設備の被害状況や巡視の実施状況を把握するまでに時間がかかっていました。
新機能のポイント
今回の機能追加の主な内容は次のとおりです。
- 臨時巡視の対象となる変電所を自動で選定し、巡視計画を作成する機能
- スマートフォンとシステムを連携する機能など
これらにより、現地の巡視員は平常時と同じように、スマートフォン上の巡視計画に沿って巡視を行えます。巡視結果をスマートフォンに入力すれば、事業所とリアルタイムで情報を共有できる仕組みです。
災害時の設備被害状況や巡視の実施状況を速やかに把握・共有できるようになることで、復旧対応に向けた意思決定の迅速化や、対応の円滑化が期待されています。
両社が掲げる今後の取り組み
東北電力ネットワークは、この機能を活用して災害対応力のさらなる向上を図るとしています。あわせて、今後も先進的な技術や新たな知見を取り入れながら、電力の安定供給に取り組む方針です。
日立は、電力分野で培ってきた設備管理・保守業務のデジタル化に関する知見やデジタル技術、システム開発のノウハウを生かし、電力インフラのレジリエンス向上と持続的な安定供給に貢献していくとしています。
出典:株式会社 日立製作所