中小企業の経営者がAIで業務を変えるとき、何から手をつければよいのか。AI活用・AX導入を支援する株式会社LeapAI(東京都港区、代表:岩田侑城)は、その答えのひとつを動画で示しています。同社は2026年10月22日(木)、公式YouTubeチャンネル『AIエージェントTV【株式会社LeapAI】』で企画「出張AI顧問」の第2回を公開しました。今回は、不動産会社の社長がFDE(現場に入って実装まで担うエンジニア)と組み、日々の8つの業務をわずか2日間でAIエージェントに任せられるようにするまでを記録しています。

約30業務の棚卸しから「効果の大きい8つ」を選ぶ
出演したのは、栃木県宇都宮市の株式会社Trustfordで代表取締役を務める前出歩希氏です。前出氏はリクルートに新卒で入社し、SUUMOで東京首都圏エリアの200社以上の不動産会社を担当しました。その後、不動産仲介の実務を経て独立し、現在は東京と宇都宮市内の不動産売買を主に手がけています。
第1回では、査定依頼の受付業務を自動化しました。前出氏は当初「体感で10分ほど早くなる程度」と見込んでいましたが、実際には1回あたり20分ほど短縮できたといいます。この結果を受けて、今回は「僕が辞めていいくらい、全部AIに任せたい」という意気込みでLeapAIのオフィスを訪れました。前出氏が洗い出した約30の業務の中から、発生頻度とインパクトの大きい8つを選び、AIエージェント「Claude Code」で同時並行に自動化していきました。
最大の時間泥棒だった「査定書づくり」
8業務の中で特に手間がかかっていたのが査定書の作成です。登記簿謄本で所有者や面積を確認し、周辺の成約事例から価格の根拠を整理し、査定書にまとめてメールで送る。この一連の作業は、最速でも20分かかっていました。LeapAIの岩田氏が提案したのは、情報収集と作成はAIに任せ、最後に社長が内容を確認してから顧客に届けるという分担です。人の判断を最終工程に残すことで、品質と効率を両立させる狙いがあります。

「AIを止めない」ための並列実装
実装の進め方にも工夫がありました。昼食前に岩田氏が紹介したのは、スマートフォンのClaudeアプリからパソコン上のClaude Codeを操作できる「リモートコントロール」機能です。岩田氏は「AI活用で一番大事なのは、24時間AIをどれだけ働かせられるか。ご飯の間にAIが止まるのは大きな課題」と語り、食事中も作業を進めました。
査定書の仕組みを作るのと並行して、別のセッションで購入問い合わせへの対応を自動化しました。さらに、レシートのfreee登録、日報をもとにした改善提案、判例botも同時に組み上げていきました。1つずつ順番に片付けるのではなく、複数のAIセッションを並べて走らせる進め方です。短期間で多くの業務を形にできた背景には、この並列実装があります。

現場の手応えは「これは革命」
完成した仕組みは順にテストされました。主な成果は次のとおりです。
- 査定書:問い合わせデータからAIが価格を予想し、スライド形式の査定書をPDFで作成。顧客宛てメールの下書きまで自動で用意される
- 経理:撮影したレシートを専用フォルダに入れるだけで、毎日21時にfreeeへ自動登録。取引先名・金額・勘定科目まで読み取る
- 改善提案bot:日報とDiscordのやり取りを読み込み、業務改善案や自動化できそうな作業を提案
- 判例bot:Discordで相談内容を送ると、関連する過去の裁判事例をリンク付きで示し、確認すべき事項まで提案
査定書について、前出氏は「いつも出している査定書とほぼ一緒です」と評価し、「なんだかんだ15〜20分かかっていた。あとはメールで送るだけ」と驚きを見せました。レシート登録では、読み取り結果の正確さを確かめたうえで「これは革命」「僕だけじゃなく税理士さんも喜ぶ」とコメントしています。改善提案botについては「困っているのは意外と、そもそも何が自動化できるかわからないこと」と述べ、AIが次の自動化候補を示してくれることに価値を見いだしていました。
1〜2時間の判例調べが1〜2分に
最も大きな時間短縮が見込まれるのが判例調べです。前出氏によると、1つの案件で1〜2時間を費やすこともあったこの作業が、1〜2分で済むようになりました。「不動産売買に関わる人は全員欲しいと思う」と語るほどの手応えです。2日間を終えた前出氏は「1時間くらい減ればいいなと思っていたけど、1日の業務がリアルに1〜2時間減った」と振り返り、「1か月後に、どれだけ減ったか報告させてほしい」と締めくくりました。

経営者と並走する「AI顧問」というアプローチ
今回の事例からは、中小企業のAI活用を進めるうえでの要点が見えてきます。業務を棚卸しして効果の大きいものから着手すること、最終確認は人が担うこと、そしてAIの稼働時間を最大化することです。LeapAIはこうした実装支援を、AX支援サービス「AI顧問」として提供しています。FDEが隔週のミーティングで効果の大きい業務を見極め、実装まで伴走するサービスで、社内でAIを使える人材を育てる形と、LeapAIに実装を任せる形から選べます。地方企業への訪問にも対応しています。
同社は今後も経営者とともに業務のAI実装を進め、その過程を『AIエージェントTV』で発信していく方針です。なお、動画は2026年10月時点の情報に基づいており、生成AIの仕様・料金・提供条件は変更される可能性があります。
出典:株式会社LeapAI