世界の慢性疲労症候群市場、2026年~2035年に診断患者数増加の見込み – 最新調査レポートが発表

世界の慢性疲労症候群に関する最新調査レポートが公開

株式会社マーケットリサーチセンターは、慢性疲労症候群(CFS)、または筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に関する包括的な調査レポート「世界の慢性疲労症候群の市場規模、疾患概要、疫学予測」を発表しました。このレポートは、ME/CFSの疫学動向、過去の患者推移、そして2026年から2035年までの将来予測を詳細に分析しています。

慢性疲労症候群(ME/CFS)の疾患概要と現状

ME/CFSは、少なくとも6か月以上持続する原因不明の強い疲労を中心に、認知機能障害、睡眠障害、筋肉痛、労作後症状増悪、起立不耐などを伴う複雑で消耗性の高い疾患です。MedVellumの推定によると、世界人口の約0.2%から0.4%が影響を受けているとされ、無視できない規模の患者が存在すると考えられています。

疫学データ

  • 世界有病率: MedVellumの推定では、世界人口の約0.2%~0.4%とされています。

  • 年間発症率: 10万人年あたり約10~15例とされています。

  • 年齢分布: 10~19歳の思春期・青年初期と、30~39歳の成人期に二つの発症ピークがあり、平均診断年齢は約33~35歳です。

  • 性別: 女性が男性の約3~4倍多いと報告されています。

  • 地域別有病率: 米国では約83.6万人から250万人が、英国では約25万人がME/CFSを有すると推定されています。

ME/CFSの病因は現在も明確ではなく、免疫調節異常、ウイルス感染、ホルモンバランス異常、神経学的異常などが候補として挙げられていますが、単一の原因は確立されていません。この病因の不明確さが、診断の難しさと治療法開発の遅れにつながっています。

診断と治療の課題

ME/CFSは過少診断されやすい疾患です。疲労、認知障害、睡眠障害、疼痛など、多くの他の疾患で見られる症状が共通しているため、特異的な単一検査がない現状では診断に時間を要します。また、患者が症状を「慢性的な疲れ」として自己管理している場合や、精神的な問題と誤解される場合もあり、適切な専門評価につながりにくい状況があります。

現在のところ、ME/CFSに対する確立した根治療法は存在しません。治療の目標は、症状の軽減、日常生活機能の改善、症状増悪の回避に重点が置かれています。個々の活動許容量に合わせたペーシングや、睡眠障害、疼痛、抑うつ症状などに対する対症療法が中心です。認知行動療法(CBT)も、慢性疾患への対処やストレス・症状への適応を支援する手段として活用されています。

今後の見通しと市場への影響

調査会社は、疾患認知の向上、診断枠組みの改善、新規バイオマーカーや標的治療の研究進展などを背景に、2026年から2035年にかけて診断患者プールが拡大すると予測しています。これは、真の発症率が急激に上昇するというよりも、未診断患者が医療システムに取り込まれていく可能性が高いことを示唆しています。

ME/CFS市場には大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在しており、新規薬剤だけでなく、診断支援ツール、デジタル症状モニタリング、個別化された活動管理、睡眠・疼痛管理、リハビリテーション支援なども重要になるとみられています。病態特異的なバイオマーカーの発見や、免疫系などを標的とした治療法の開発は、将来的な診断精度向上と個別化治療の進展に寄与するでしょう。

2026年から2035年の期間は、ME/CFSが単なる「慢性疲労」ではなく、明確な機能障害と社会経済的負担を伴う独立した疾患として認識され、診断精度の向上と病態に基づく個別化治療が進むことが、臨床および市場双方の主要テーマとなるとまとめられています。

レポートに関する詳細

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