背景と目的
近年、暗号資産市場は規模が拡大し、Layer1、DeFi、AI、ゲームといった多様な産業構造が形成されつつあります。しかし、これまでの市場ではビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、アルトコインといった大まかな分類が主流であり、数千に及ぶ銘柄が「アルトコイン」という一つの区分で扱われる現状がありました。
このような状況に対し、キリフダ株式会社は、株式市場のGICS(世界産業分類基準)に相当する「市場の共通言語」が暗号資産市場にも必要であるとの認識を示しています。特に、2028年に見込まれる金融商品取引法への移行や暗号資産ETF解禁の議論が進む中で、機関投資家がセクター単位で市場を把握し、説明するための材料の必要性が高まると考えられています。

同社が実施した独自のリサーチ「暗号資産市場におけるセクターインデックスの必要性」では、セクターごとに固有の値動きが存在し、セクター分類が暗号資産市場の分析に有効であることが確認されました。今回の取り組みは、この知見を基に分類基準とセクターインデックスを体系化し、広く公開するものです。
公開内容の詳細
1. セクター分類基準
主要取引市場に上場する188銘柄を対象に、以下の11セクターへの分類基準が策定されました。各プロジェクトの機能や収益源といったファンダメンタルズと、実際の値動きに表れる市場参加者の認識という二つの視点から設計されています。
| 指数コード | セクター | 対象領域 | 主なサブセクター |
|---|---|---|---|
| KFI-L1 | L1 | ブロックチェーンの土台となる基盤レイヤー。スマートコントラクトを軸とするEVM互換・非EVM系、決済やエンタープライズ用途に特化した系統などをサブセクターで設計 | Bitcoin Ecosystem EVM non-EVM Payment Enterprise Social Cosmos RWA Other L1 |
| KFI-Scaling | Scaling | L1の処理能力やコスト、拡張性を補完・拡張する層。取引を高速かつ安価に処理するL2、複数チェーンをつなぐ相互運用性、機能を分離して組み合わせるモジュラー型チェーンなどをサブセクターで設計 | L2 Interoperability Modular |
| KFI-DeFi | DeFi | 金融機能をオンチェーンで再構築するプロトコル群。資金を貸し借りするレンディング、現物を交換するDEX、ステーブルコインやステーキングなどをサブセクターで設計 | Swap Stablecoin Staking Lending Finance DeSci |
| KFI-Trading | Trading | パーペチュアルなどデリバティブを扱う取引プラットフォーム。現物中心のDeFiとは分けて切り出し、取引量とそこから生まれる手数料収益が値動きのドライバーとなる | — |
| KFI-Infrastructure | Infrastructure | 開発・運用サービス、分散型物理インフラ(DePIN)、オラクルなど、オンチェーンの基盤機能を担う銘柄群 | Service DePIN Oracle |
| KFI-AI | AI | AI関連のプロトコル・エージェント・データ基盤の銘柄群 | — |
| KFI-Gaming | Gaming | ブロックチェーンゲームとゲーム基盤の銘柄群 | — |
| KFI-NFT | NFT | NFTマーケットプレイスとNFT関連基盤の銘柄群 | — |
| KFI-Meme | Meme | コミュニティ主導で価格形成されるミームコイン。テーマ別のサブセクターで設計 | Major Internet Culture Crypto AI Political Platform |
| KFI-Privacy | Privacy | プライバシー保護技術に特化した銘柄群 | ー |
| KFI-Other | Others | 上記に分類されない銘柄。金連動トークン(Commodity)や、破綻・終了したプロジェクト(Legacy)を含む | Legacy Commodity |
2. セクターインデックス(11指数)
各セクターの構成銘柄から算出される代表値(指数)です。加重方式、リバランスルール、銘柄入替基準を含む算出方法論が文書として公開され、透明性が確保されています。詳細はキリフダ株式会社のウェブサイト「KIRIFUDA Digital Assets Index Series」で確認できます。

3. 市場全体の参照指数(KIRIFUDA Digital Assets Index Series)
暗号資産市場全体の値動きを示す参照指数も公開されました。これは、各セクターの相対的な強弱(市場全体に対する超過パフォーマンス)を測定するための基準として機能します。
活用場面と今後の展開
これらの指数は、テーマ投資の把握(AI・DeFiなど資金が向かうテーマの定量的な捕捉)、リスク管理(ポートフォリオのセクター別エクスポージャーの可視化)、市場分析・リサーチ(市場全体のベータを除いたセクター固有の値動きの分析、セクター間の相対比較)といった場面での活用が想定されています。アセットマネジメント会社、証券会社、暗号資産交換業者、リサーチ機関等における市場分析、顧客説明、商品設計の基礎資料としての利用が期待されます。
キリフダ株式会社 Head of Blockchain Intelligence 山口 睦生氏は、「暗号資産市場は、もはや『ビットコインとその他』で語れる市場ではありません。Layer1、DeFi、AIなど、それぞれ異なる成長ドライバーを持つ産業群が形成されつつある今、市場を理解し、分析し、説明するための共通言語が求められています。」とコメントしています。

同社は今後、セクター分類および構成銘柄の定期的な見直し・更新を行うとともに、セクターインデックスを活用した市場分析レポートの発信、金融機関・アセットマネジメント会社等との共同研究や商品設計支援を推進する方針です。
2026年8月7日には金融庁に「暗号資産・ステーブルコイン課」が新設されるなど(金融庁「金融庁の組織再編について」参照)、国内でも暗号資産市場を支える制度・行政基盤の整備が進んでいます。このような環境下で、キリフダ株式会社は暗号資産市場を「セクターで語る」ための共通言語の整備を通じて、機関投資家の市場参加を支える市場インフラの発展に貢献していくとしています。
キリフダ株式会社について

キリフダ株式会社は、ブロックチェーン技術を活用し、事業会社のサービスにオンチェーン金融機能を組み込む「Embedded Onchain Finance」を支援する事業開発パートナーです。ステーブルコイン決済、ウォレット基盤、ポイント運用、アプリ内残高の運用、NFT/RWA、オンチェーンデータ活用などを通じて、企業の顧客接点、決済基盤、ポイント経済圏、会員基盤を新たな金融体験と収益機会へと拡張しています。
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会社HP:https://kirifuda.io/
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X(旧Twitter):https://x.com/kirifuda_io
注記:本リリースおよびキリフダ株式会社が公開するセクター分類・各インデックスは、情報提供および調査分析を目的としたものであり、特定の金融商品や暗号資産への投資を勧誘するものではありません。また、各インデックスは調査・分析のための参照指標であり、金融商品の基準価格等としての利用を目的とするものではありません。




