「プレスリリースを送っても反応がない」──それは“伝え方”以前に、“テーマ選び”がズレている可能性があります。 この記事では、現役メディアの視点から、記者が「取材したい」と感じる情報の作り方を解説します。

1. メディアが求めるのは「宣伝」ではなく「材料」

多くの企業が勘違いしているのは、「リリース=発表の場」という認識です。 しかし記者が求めているのは、記事を作るための“素材”です。
  • データ(市場・トレンド・比較)
  • 人(担当者・顧客・開発背景)
  • 意見(専門家コメント・一次情報)
つまり、「商品を紹介してほしい」ではなく、「世の中の変化を説明できる材料」が求められています。

2. “記事になる”テーマの3条件

メディアが「これは記事になる」と感じるテーマには共通点があります。
  1. 社会性: 世の中の関心事・課題とつながっているか
  2. 新規性: 初めて・初公開・変化があるか
  3. 意外性: 予想外のデータや視点があるか
これらの要素が1つでも入っていると、リリースが“ニュース”として機能します。 逆に、「ただの自社紹介」では取材が生まれません。

3. 記者が目を止める「切り口」の作り方

同じ内容でも、“角度”を変えるだけで記事化率は上がります。 たとえば: プレスリリースのNG例とOK例

プレスリリースNG例とOK例

NG例 OK例(切り口あり)
新商品「◯◯」を発売しました 在宅勤務の増加で需要拡大。新発想の「◯◯」を開発
自社サービスが1周年を迎えました 開始1年で利用企業300社突破。急成長の背景に“社内DX化”の波
「誰が見ても面白い」ではなく、“記者が記事にしやすい文脈”を意識しましょう。

4. 記者が知りたい「+α」の要素

リリース本文に「一次情報」を1つ添えるだけで取材率は上がります。
  • ・アンケート・調査データ(n数と調査方法を明記)
  • ・現場の声(担当者・顧客インタビュー)
  • ・数値の裏づけ(前年比・推移など)
これらは“引用できる情報”として記事にしやすい。 「データ×人×背景」を意識するだけで、記者が動く確率が上がります。

5. メディアが嫌う“ズレた情報”とは?

逆に、次のような内容は避けるべきです。
  • 企業の宣伝・営業文
  • 抽象的なビジョンや理念だけ
  • “どこにでもある話”の焼き直し
記者は「ニュースを届ける人」。 自社目線ではなく、「社会の関心」に合わせて発信することが、取材への第一歩です。

6. レターリリースで“情報の質”を磨く

PRISAでは、プレスリリースに加えて、“レターリリース”という形式を提案しています。 これは、取材のきっかけを作る“手紙形式”の情報提供。宣伝色を抑え、素材の価値を高める方法です。 たとえば:
「最近、企業間の採用DXに変化が見られます。当社でも実際に○○が増加。 トレンドを感じ取ってもらえる内容としてご参考になれば幸いです。」
この“相手視点”が、まさにメディアが求めている情報の本質です。

まとめ|“伝える”から“取材を生む”広報へ

メディアが本当に求めているのは、ニュースのタネ。 社会性・新規性・意外性を意識して、取材が生まれるテーマ設計を心がけましょう。

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