投資の背景と目的
近年、生成AIの急速な普及などによりデータセンター市場が世界的に拡大しており、それに伴い電力需要も増加しています。2035年には、データセンター向けの電力需要が2023年比で約2倍になるとの予測も示されています。このような状況下で、電力供給の停止を回避するためにデータセンターに常備される非常用発電エンジンの需要が増加しているほか、北米地域ではグリッド電力(電力会社等が発電し、送配電網を通じてユーザーに供給される電力)の不足を背景に常用発電エンジン向けの需要も伸びています。
大同メタル工業は、これらの需要増に対応するため、DMMの既存敷地内に新たな工場建屋を建設し、生産設備を導入します。これにより、データセンター向け軸受のグローバルな生産能力は現状比で約1.5倍に拡大する見込みです。

工場拡張の概要
-
所在地:メキシコ合衆国ハリスコ州(DMMの既存敷地内)
-
新工場建屋面積:約14,000m2(予定)
-
投資額:約40億円(予定)
-
生産能力増強規模:約1.5倍(グローバルベースの現状比、データセンター向け発電機用エンジン軸受分)(予定)
-
生産開始時期:2028年(予定)
この投資は、2025年5月に発表された中期経営計画「Bridge to Daido 2030」には含まれていない追加的な投資です。
今後の見通し
この設備投資により、大同メタル工業の中高速エンジン向け軸受の売上高は、2025年実績に対して2030年には全体で約1.6倍、うちデータセンター向け軸受は約4.8倍の事業規模となる予定です。データセンター向け軸受を含む中高速エンジン用軸受は、北米だけでなく日本、アジア、欧州などでも潜在的な需要が見込まれており、将来的な脱炭素燃料を活用した次世代エンジンへの対応にも資すると判断されています。
大同メタル工業は、1939年の創業以来、自動車、船舶、建設機械、一般産業向けなど多岐にわたる産業分野で「軸受(ベアリング)」を製造・販売する「総合すべり軸受メーカー」です。自動車エンジン用半割軸受で世界シェア約39.6%、大型船舶エンジン用軸受で約66.8%、データセンター向け発電機用エンジン軸受で約27.9%と、それぞれ世界トップクラスのシェアを有しています(シェアは2025年暦年ベース、同社推定)。同社は、中期経営計画で掲げる“世界唯一の総合すべり軸受メーカー”として、すべり軸受技術を新たなビジネスに繋げ、企業価値の創造に努めていく方針です。




