CIOが直面する課題:成果説明の圧力と期待未達
最近の調査によると、CIOの85%が、テクノロジー投資による具体的なビジネスインパクトを示すことへの圧力が高まっていると回答しています。一方で、次世代テクノロジーへの投資に関しては、64%が期待した成果を上げていないと回答しており、AIやクラウドネイティブ基盤への期待が高まる中で、レガシーシステムや分断されたアーキテクチャ、増大するコストが企業の俊敏性と価値実現を制約している現状が浮き彫りになりました。

2025年までに世界のテクノロジー投資が5.6兆ユーロを超えると予測される中、経営陣が求めているのは、投資額や活動量そのものではなく、測定可能なリターンです。論考では、従業員一人当たりの税引後純利益を、従業員一人当たりのテクノロジー運用費用およびデータ・アナリティクス投資との関係から評価する「テクノロジーROI」という指標を提示し、同業他社との比較や投資の優先順位付け、支出配分の見直しを企業価値とのつながりを踏まえて行う重要性を説いています。
テクノロジーROI最大化への3段階アプローチ
Kearneyが提唱するテクノロジーROIアプローチは、「評価」「価値獲得」「持続」の3段階で構成されます。
- 評価(5週間): 現在のROI、同業他社との比較、価値の漏出、優先度の高いクイックウィンを診断します。
- 価値獲得(12~16週間): 人材モデル、テクノロジーランドスケープ、オペレーティングモデル、パートナーエコシステムに関するモジュール型ワークストリームを設計し、施策を実行します。
- 持続: バリューアシュアランスオフィス、スマートPMO、部門横断型のガバナンスを通じて、獲得した価値の維持と継続的な改善を図ります。

実績と期待される効果
Kearneyが支援を行った先進企業では、IT生産性の10~25%向上、テクノロジーコストの最大40%削減といった具体的な成果が報告されています。これは、人材配置の再設計や重複業務の排除、アーキテクチャの簡素化、ベンダー統合、調達の最適化などによって実現されました。また、こうした取り組みを通じて、将来の変化に対応できる価値創出型のIT機能を12~24カ月で構築できる可能性も示されています。

獲得した成果を持続させるためには、リアルタイムでROIを把握するダッシュボード、事業上の優先事項と整合したオペレーティングモデル、戦略的成果に結び付くガバナンスの整備が重要です。
論考の詳細
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A.T. カーニーについて
A.T. カーニーは、100年以上にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして活動し、Fortune Global 500企業の4分の3以上を含む多くの企業や政府機関を支援してきました。世界40カ国以上に拠点を展開し、クライアント企業が直面する困難な課題に対し、独創的な発想と実行力で変革の実現を推進しています。日本には1972年に進出し、幅広い産業のリーディングカンパニーに対して戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。




