大企業のAI投資は「実装」フェーズへ移行、約7割が投資対効果を実感するも理想と現実にギャップ

調査概要

本調査は、従業員規模1,000名以上の大企業に勤務し、AI投資予算を把握する部長職以上100名を対象に、2026年6月19日にインターネットで実施されました。

AI投資は「実装」フェーズへ移行、高いROIを実感

今期のAI投資額について、前期と比較して「増加した」と回答した企業は82.0%に上り(「非常に増加した」48.0%、「やや増加した」38.0%)、大企業におけるAI投資が活発化していることが示されました。

AI活用に関する今期の年間投資額

また、バックオフィス部門におけるAI投資の費用対効果(ROI)については、69.0%の企業が「投資対効果が出ている」と回答しており(「十分に投資対効果が出ている」20.0%、「ある程度投資対効果が出ている」49.0%)、多くの企業がAI投資に確かな手応えを感じていることが伺えます。

AI投資対効果の評価

理想は「自律化」も、現実は「一部自動化・補助」

バックオフィス部門においてAIに最終的にどのような役割を担ってほしいかという質問に対し、47.0%が「プロセス全体の自律化(業務完結)」を理想として挙げました。これは、AIによる業務の完全自動化・完結への期待が高いことを示しています。

AIの理想の役割

しかし、現在の実務におけるAIの役割は、「一部業務の実行・自動化」が55.0%、「人への提案・補助」が25.0%と、合わせて80.0%が「一部の自動化・補助」にとどまっています。「プロセス全体の自律化(業務完結)」を実現できている企業は19.0%に過ぎず、理想と現実の間に大きなギャップがあることが明らかになりました。

AIの現実の役割

手作業削減に余地、来期予算は増加見込み

AI導入後の「人手による作業(入力・転記・目視確認など)」の削減量については、半数以上の54.0%の企業が「30%未満の削減」にとどまっていると回答しました。これは、AI導入による一定の成果は出ているものの、依然として多くの手作業が残されている現状を示しています。

AI導入後の手作業の削減量

一方で、来期のAI投資額については、81.0%の企業が「増加する見込み」と回答しており(「大幅に増加する見込み」36.0%、「やや増加する見込み」45.0%)、多くの企業がAIによるさらなる業務効率化に期待を寄せ、投資を拡大していく意向であることが伺えます。

来期のAI予算

ROI実感の鍵は業務フローの抜本的見直し

AIツールの導入にあたり、既存の「業務フローや承認プロセス」を見直した企業は全体の91.0%に上ります。特に、AI投資の費用対効果を「十分に実感している」企業では、80.0%が「抜本的に見直した」と回答しており、投資対効果を高く実感する企業ほど、AIを前提とした業務プロセスの再設計を積極的に行っている傾向が見られました。この結果は、AI活用成功の鍵が単なるツール導入ではなく、業務プロセスの再設計にあることを示唆しています。

ROIを実感する企業ほど、AI導入にあたり「業務の見直し」を実施

まとめ:AIエージェントによる自律化とプロセス変革へ

今回の調査結果から、大企業のバックオフィスにおけるAI投資は進展しており、一定の投資対効果も得られているものの、既存業務にAIツールを部分的に導入するだけでは、プロセス間の手作業による「分断」が残り、劇的な効率化には至らない現状が明らかになりました。

今後のAI投資効果を最大化するためには、既存の基幹システムやワークフローの刷新だけでなく、システム間に発生する「入力・転記・目視確認」といった手作業の分断をAIエージェントで自律的に繋ぎ込み、業務を完結させる仕組みへの移行が重要であると考えられます。AIが複数のシステムを跨いで仕事を先回りして終わらせ、人は最終的な確認・判断のみを行うという前提で業務プロセスを再設計し、AIエージェントをプロセスそのものに組み込むことが、真の生産性向上とリアルタイム経営の実現に向けた解決策となるでしょう。

調査結果詳細ダウンロード

本調査の詳細は、以下のリンクよりダウンロード可能です。
https://bakuraku.jp/resources/how-to/ai_investment_enterprise/

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