【冷たい空気や暖めた空気を運ぶ「冷媒」が入手困難に…】
2024 年、空調機器や冷凍・冷蔵庫が修理できなくなる工場・ビル・店舗が続出!
2024 年、空調機器や冷凍・冷蔵庫が修理できなくなる工場やビル、店舗、データセンターが続出する可能性が指摘されている…。冷たい空気や暖めた空気を運ぶ「冷媒」が入手困難になってしまうのが原因…。
■「キガリ改正」により、代替フロンの生産・消費量削減が義務化
日本では 24 年以降、 実質 60%削減となるため、冷媒不足が生じてしまう。
この“冷媒ショック”は、「代替フロン」と呼ばれるハイドロフルオロカーボン(HFC)類を めぐる規制が引き金で起こるとされる。HFC は一般的な冷媒だが、温暖化を助長する温室効果ガスの一種。
国際社会は 2016 年、「特定フロン」の全廃を決めたモントリオール議定書の規制に HFC も追加。これが「キガリ改正」。
「キガリ改正」は各国に代替フロンの生産・消費量の段階的な削減を義務付けた。日本では 2024 年以降、11―13 年の平均比 60%削減となり、冷媒不足が生じる可能性がある。
【冷媒不足によりデータセンターも稼働停止の危機に…】
データセンターの稼働停止により、社会・経済が混乱…
HFC 不足により、ビルの空調機器や店舗などの冷凍・冷蔵庫が修理できなくなってしまう…。さらに、データセンターもサーバー室を冷やすため常時、冷房を稼働させている。データセンターが稼働停止すると、情報インフラを基盤とする社会・経済に混乱を招く…。
冷媒不足問題を防ぐには、定期的に点検し、冷媒をもらさないことが必要!一般財団法人日本冷媒・環境保全機構 専務理事 高島 章吉
2016 年より一般財団法人日本冷媒・環境保全機構に在籍し、2023 年 7 月より専務理事に。キガリ改正の規制対象はメーカーであるため、機器の利用者である工場やビルの大企業などの関心は低い。危機を防ぐため「定期的な点検によって故障させないことが必要」だという。
■義務付けられている点検を適切に記載しているのはわずか 2.6%
2020 年、改正フロン排出抑制法が施行され、冷媒を使う機器保有者に定期的な点検を 義務付けているが、十分な点検が行われていないと高島氏は指摘。日本冷媒・環境保全機構が 2023 年 2 月に発表した「第 2 回 JRECO フロン対策格付け」によると、東証プライム上場 1840 社の内、定期・簡易点検状況など適切に記載しているのは 2.6%(49 社)。