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ストック型社会を広げる市場づくりの仕事を解説:行動科学と組織研究をもとにした資料を無料公開

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980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学®の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑 智康)は、住宅関連企業の経営者、管理職、事業企画・人材育成担当者に向けて、解説資料「ストック型社会を広げる 市場を創る仕事」を無料公開します。

資料はA4横・全9ページ。認知、組織の注意、探索と評価、市場形成に関する6本の一次論文を手がかりに、「既にある市場には対応できるのに、これから創る市場は仕事として捉えにくい」という組織の課題を考察しました。市場を創る活動が始まりにくくなる理由と、職場で確かめる点を図解しています。

解説資料(PDF全9ページ・無料)は、下のリンクからダウンロードできます。

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ストックの存在と市場の成立には隔たりがある

住宅や建物があり、それらを改修する技術や商品があっても、それだけで新しい取引が生まれるとは限りません。住まい手が何に価値を感じ、どの条件なら依頼できるか。事業者がどこまでを引き受け、どうすれば提供を続けられるか。その関係と条件を整える仕事が必要です。

本資料で扱うのは、ストックを活かす余地がありながら、こうした関係と条件がまだ整っていない領域です。既に成立している取引を調べることと、取引が成立する条件を関係者とつくることを区別します。

経験から仕事を始める前提が身に付く

既に取引のある新築事業では、顧客、商品、依頼内容、販売経路を過去の経験に結びつけて考えられます。経験は、何をすれば仕事になるかを判断する資源です。一方で、その経験から身に付けた仕事の成り立ちが、新しい可能性を見る際の前提にもなると考えられます。

認知研究には、別の解を探そうとしていても、慣れた解に関係する箇所へ注意が向き続ける場合を示した実験があります[1]。また、経験から学ぶ探索と、行動と結果の関係を仮に描いて進める探索を区別した計算機モデルでは、不完全な見取り図にも探索を導く役割が示されています[2]。

これらを今回の課題に当てはめると、既存の仕事では着手前に分かっていた顧客や依頼内容を、これから市場を創る場合にも、着手前に求めてしまうことが考えられます。その結果、顧客との関係や依頼内容を具体化するための活動が、仕事の選択肢に上がりにくくなるのではないでしょうか。

日々の評価が既存の仕事への対応を選びやすくする

市場を創る必要に賛成していても、実際にその活動へ時間を使うかは別の問題です。

既存案件への対応は受注や売上として評価される一方、関係者と提供条件を試す活動は、成果が出る時期も結果も見通しにくい。この違いは、何に取り組むかの判断に関わります。

March(1991)は、新しい可能性を探る活動と、既知の方法を磨く活動では、成果の確実さや得られる時期が異なり、学習が既知の方法へ偏る可能性を理論的に論じました[3]。EdererとManso(2013)の事業を模した実験では、初期の失敗で報酬が減らず、後半の成果に報いる条件で、固定給や全期間の利益に連動する報酬よりも探索が促されました[4]。

ここから確かめたいのは、市場を創るために活動した人に、その後どのような評価や支援が返るかです。売上に至る前に確かめられた価値、依頼に必要な条件、関係者との合意も、次の判断に使う材料として扱われているでしょうか。

組織の会議や手続きが考える対象を方向づける

組織の注意に関するOcasio(1997)の理論は、何に注意を向けるかを、個人の関心に加えて、組織のルール、資源、関係、会議や手続きから説明しています[5]。

例えば、住宅関連企業の会議で、新しい取り組みにも既存案件と同じ確実さの売上見通しを求める場面を考えます。まだ取引の条件をつくっている段階では、その見通しを十分に示せず、活動が見送られるかもしれません。活動が始まらなければ、働きかけへの反応や取引条件を自ら確かめる機会が得られず、市場を具体的に捉える材料も増えにくくなります。これは、本資料で提示する組織についての仮説です。

市場を創るための活動が、市場が見えないことを理由に始まらない。

こうした組織の判断が、ストックの活用を広げる妨げの一つになっているのではないでしょうか。

市場を創るとは関係者と取引の条件をつくること

市場形成を扱うSarasvathyとDew(2005)は、関係者が参加し、資源や引き受ける条件を持ち寄る過程で、市場の形が定まっていくというモデルを提示しています[6]。市場を創る仕事は、相手の参加を得ながら、価値、提供内容、負担、役割を具体化していく仕事として捉えられます。

例えば、住まい手の改修依頼がまだ具体化していない段階で、住宅関連企業の担当者が、何が改善されれば利用したいかを住まい手と確かめ、地域の工務店と提供内容、費用、役割を組み立てる場面を考えます。相談から現地確認、見積りの説明、施工後の対応まで、住まい手が依頼できる条件と、事業者が続けられる条件を小さく試します。これは説明のための架空例ですが、市場を創る活動の具体像になります。

この段階の判断では、誰にどの価値を届けようとしているか、何がまだ確かめられていないか、どの範囲なら試せるかを明らかにします。得られた反応や負担を踏まえ、続ける、条件を変える、見送るという判断につなげます。

市場を創る仕事を組織の仕事として扱う

ストック型社会を広げるためには、既存の取引への対応に加えて、ストックの価値が利用され続ける関係と条件をつくる仕事が必要です。職場では、市場を創る活動を具体的に説明できるか、その提案に何が求められるか、試した結果が次の判断にどう使われるかを確かめます。

本資料は、各研究を手がかりにした考察と実践提案です。研究で示された結果と、住宅・建物のストック活用へ当てはめた仮説を分け、資料末尾に対象・方法・接点を記載しています。ストック型社会への移行との関係は、現場での提案、意思決定、取引の成立・継続の記録を通じて検討していく課題として位置づけています。

資料の概要

資料名:ストック型社会を広げる 市場を創る仕事
形式:PDF/A4横/全9ページ/無料
内容:市場を創る仕事の意味、経験・評価・組織の注意から考える理由、住宅分野の架空例、職場での確認点、一次研究6本の方法と接点

解説資料をダウンロード PDF 全9ページ

参照した一次研究

[1]Bilalić, M., McLeod, P., & Gobet, F. (2008). Why good thoughts block better ones: The mechanism of the pernicious Einstellung (set) effect. Cognition, 108(3), 652–661. 論文・著者公開資料

[2]Gavetti, G., & Levinthal, D. (2000). Looking Forward and Looking Backward: Cognitive and Experiential Search. Administrative Science Quarterly, 45(1), 113–137. 論文・著者公開資料

[3]March, J. G. (1991). Exploration and Exploitation in Organizational Learning. Organization Science, 2(1), 71–87. 論文・著者公開資料

[4]Ederer, F., & Manso, G. (2013). Is Pay for Performance Detrimental to Innovation? Management Science, 59(7), 1496–1513. 論文・著者公開資料

[5]Ocasio, W. (1997). Towards an attention-based view of the firm. Strategic Management Journal, 18(S1), 187–206. 論文・著者公開資料

[6]Sarasvathy, S. D., & Dew, N. (2005). New market creation through transformation. Journal of Evolutionary Economics, 15, 533–565. 論文・著者公開資料

知を社会へひらく 仕事を見直す次の一歩へ

リクエスト株式会社は、「より善くを目的に」、組織で働く人の仕事と、その周囲の支援を研究しています。「成果につながる方法を、本人が使える仕事へ。」を軸に、研究・教育開発と実践支援を行い、得られた知見を社会へひらいています。

組織行動科学®を基盤に、8つの研究機関がそれぞれの問いを深め、知見を持ち寄っています。980社・33.8万人は当社の研究・教育開発の基盤を示す規模であり、今回の資料で扱う各研究の対象と方法は、資料末尾に個別に記載しています。

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研究・実践ライブラリ 知と実践

本記事は、組織行動科学(R)︎が2026年10月18日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース:ストック型社会を広げる市場づくりの仕事を解説:行動科学と組織研究をもとにした資料を無料公開

この記事を書いた人

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