無料の官報検索サービス「官報AI」が6.2万件超の決算公告データベースを拡充、数値での企業分析を強化

背景:官報の決算公告を「探せる数字」へ

これまで官報に掲載される決算公告は、紙面を前提とした表形式で提供されていました。そのため、特定の会社を検索したり、複数社の数値を比較したりする際には、個別の原文を確認する必要があり、手間がかかるという課題がありました。「官報AI」は、内閣府が公開する官報情報を取得し、決算公告の貸借対照表の要旨から総資産、負債合計、純資産、資本金、利益剰余金、当期純利益といった数値を抽出し、円換算することで、この課題解決を目指しています。

新たに公開された機能

1. 全国の決算公告「当期純利益ランキング」

直近7日、30日、1年以内に官報へ掲載された決算公告の中から、当期純利益がプラスの企業を対象に、全国または都道府県別の上位50社を表示します。会社名、所在地、当期純利益、総資産、純資産、決算期、掲載日を確認でき、同じ会社が複数期の公告を掲載している場合は、対象期間内の上位1件のみが表示されます。

当期純利益ランキング

2. 「債務超過に転落した企業」の前期比較

同一法人が官報に複数回掲載した決算公告を比較し、前期に純資産がプラスであったものが、直近の期にマイナスへ転落した企業を表示します。連続した期ではない場合もその旨が明記され、前期・当期の双方から官報原文へのリンクが提供されます。

3. 会社名検索と企業別の公開記録

決算公告データベースでは、会社名の部分一致検索に対応しています。法人番号が確認できた企業については、企業ページで決算公告、合併、解散、政府調達などの官報掲載記録を時系列で確認できます。

4. 抽出結果から官報原文へ直接移動

一覧の各行には官報詳細ページへのリンクが設けられています。これにより、AI・OCRによる抽出値だけで判断を完結させず、重要な確認においては必ず一次情報である官報原文へ戻れるように設計されています。

数値の品質を守る仕組みと利用上の留意点

「官報AI」では、負債合計と純資産合計が取得できた行について、総資産との貸借恒等式を機械検算し、不成立の行は表示対象から除外しています。ランキング表示では、当期純利益が総資産を超える異常値や、会社名と当期純利益が官報原文と一致しない場合は対象行を除外します。「債務超過への転落」についても、当期・前期双方の官報原文と一致した組のみを表示するとのことです。

官報AIのデータ処理フロー

自動抽出には誤りが含まれる可能性があり、「官報AI」は政府機関または官報発行主体とは関係のない非公式サービスです。正確な数値、科目、単位および法的判断については、リンク先の官報原文を基準とすることが推奨されています。また、官報に決算公告を掲載した企業のみが対象であり、日本の全企業を網羅するものではありません。

個人情報を含む公告の非提供

「官報AI」では、自然人の破産・民事再生、帰化、失踪宣告など、個人情報を含む官報公告について、検索・閲覧・照合のいずれも提供していません。法人に関する倒産情報を表示する場合も、有効な13桁の法人番号が確認できた法人に限定し、自然人の氏名、住所、事件番号、管財人名などは公開対象に含めない方針です。

「官報AI」について

「官報AI」は、2010年から現在までの公開官報を、日付、カテゴリ、全文から検索・閲覧できる無料の非公式アーカイブです。法令、告示、会社公告、決算公告、政府調達などを官報公開日に更新し、検索結果から官報原文へ遡れる形で提供しています。

サービスURL:

閲覧・検索は登録不要で無料です。共通アカウントでは会社名や法人番号などの監視・通知を5件まで無料で利用できます。監視条件を50件に拡大しCSV保存を利用できる「官報AIプラス」(月額500円)と、会員登録不要のCSV都度購入(1回500円)も提供されています。

今後の展望

今後は、決算公告の抽出精度と原文照合を継続的に改善するとともに、会社単位の変化通知、法令の施行日リマインド、法人向けの定期CSV・API・Webhook連携が拡充される予定です。公開画面では引き続き、出典、対象範囲、抽出上の限界が明示されるでしょう。