日本の半導体市場、2035年に約398億米ドル規模へ拡大見込み
SDKI Analyticsが2026年6月8日に公表した調査結果によると、日本の半導体市場は2025年の約302億米ドルから、2035年には約398億米ドルへと拡大し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は約3.5%に達すると見込まれています。この成長は、政府主導の半導体関連の取り組み、自動車分野からの需要、AI開発、そして先端製造への投資が主な原動力となっています。

市場成長の背景
大規模な政府支援が国内供給能力を強化
経済産業省はAI・半導体戦略において、2030年度までに10兆円を超える公的支援を掲げています。これにより、官民合わせて10年間で50兆円を超える投資を誘発し、2030年までに国内生産企業の半導体関連売上高を15兆円以上とすることを目指しています。この戦略は、最先端半導体の製造、次世代メモリ、先端パッケージング、製造装置、サプライチェーン関連能力を網羅しており、日本の半導体市場に大規模な投資パイプラインを創出しています。
自動車産業の電動化と産業機器の需要増加
自動車や産業機器の電動化に伴い、パワー半導体や制御用半導体への需要が高まっています。電動パワートレイン、高度な安全システム、センサー、コネクティビティ、電子制御機能の搭載増加により、半導体の搭載量が増加傾向にあります。日本の自動車セクターだけでも、2024年度には約1.59兆円の設備投資が記録されており、日本自動車工業会(JAMA)と日本自動車部品工業会は2025年に、車載半導体調達の安定性と強靭性向上に向けた共同イニシアチブを立ち上げています。これらの動きは、従来のロジックデバイスやアナログデバイスに加え、電動化に不可欠なパワー半導体やその他のコンポーネントに対する需要を押し上げています。
最新の市場動向
日本の半導体市場では、近年、以下の主要な動きが見られます。
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Sony Semiconductor SolutionsとTSMCの戦略的提携: 2026年5月、両社は次世代イメージセンサーの開発・製造に向けた戦略的パートナーシップの基本合意書を締結しました。この合弁事業では、Sonyのイメージセンサーに関する知見とTSMCの最先端半導体プロセスおよび製造技術を融合させ、熊本県合志市に新設されるSonyの工場内に開発・生産ラインを構築する計画です。これにより、国内における最先端半導体の製造能力が強化され、フィジカルAIや車載システムなどの次世代アプリケーションの実現を支える重要な意義を持つと見られています。
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Rapidusの資金調達と量産計画: 2026年2月、Rapidusは日本政府および民間企業から総額2,676億円の資金調達を完了しました。この資金は、同社を現在の研究開発段階から2027年の2nm(ナノメートル)ロジック半導体の量産段階へと移行させることを目的としており、最先端製造技術の開発や北海道千歳市における生産拠点の整備を支援します。この動きは、国内における最先端ノードの製造能力を強化し、日本の半導体エコシステムに新たな官民資本を呼び込む直接的なプラス要因となるでしょう。
市場セグメンテーションの分析
製品タイプ別
メモリチップは、2035年までに市場全体の約38%を占めると予測されています。データ集約型コンピューティング、AIインフラ、家電製品、車載システムの拡大が需要を支えており、これらはいずれもより高度なメモリ・アーキテクチャを必要としています。経済産業省(METI)も次世代メモリを国内半導体サプライチェーン強化のための優先領域として位置づけています。
材料タイプ別
シリコンは、2035年までに約40%の市場シェアを占めると予測されています。確立された製造インフラ、成熟した加工技術、そして幅広いデバイスへの適合性が、シリコンの優位性を支え続けています。同時に、日本はエネルギー効率向上や電動化に向け、SiCやGaNをベースとした次世代パワー半導体を含む次世代半導体技術への投資を行っており、経済産業省のロードマップでも次世代パワー半導体が戦略的技術分野として位置づけられています。
エンドユーザー産業別
自動車分野は、予測期間中に市場全体の約30%を占めると見込まれています。日本の大規模な自動車製造基盤が、パワーマネジメント、ADAS(先進運転支援システム)、センシング、コネクティビティ、インフォテインメント、車両制御システムといった用途における半導体需要を支えています。日本自動車工業会(JAMA)の報告によると、2023年の自動車製造による出荷額は約71.6兆円に達し、2024年度の自動車製造における設備投資額は約1.59兆円となりました。
今後の見通し
日本の半導体市場は、政府の強力な支援策と、自動車、AI、データセンターといった主要産業からの堅調な需要に牽引され、着実な成長が期待されます。最先端技術の開発と国内製造能力の強化に向けた官民連携の投資が、市場のさらなる発展を後押しするでしょう。
この調査レポートの詳細な洞察は、以下のURLにてご覧いただけます。




